11月11日(土)文学フリマ東京37が開催されます。
私はともだちのはらさんと作った『街の声』という本をメインで出店します。併せて以前に作った日記本『まーた鍵なくした』と、はらさんが作った旅行記+短歌集『鴨川冬感覚』も販売します。
何度も告知されたらちょっと辟易とする気持ちも想像できるので、告知というよりは、そもそも文学フリマへの想いを書きたい気持ちです。それが貴方の行きたい気持ちに繋がったら嬉しいと思います。
とはいえ、特に興味が湧かなかったり、湧いたとて時間が作れなかったり、気持ちに反して体が動かなかったり、それぞれ状態は様々だと思うので、来たいと思って来れる方がいるのであれば私は喜んで貴方を迎えたい。
もし、今がその時でないのであれば、別の時間と機会を作ればいい。そのくらいの気持ちで読んでもらえればと思います。
「文学フリマ」とは?ということについてはリンクを貼ったので、それを読むのがいちばん手っ取り早いとは思います。
要は、本を作って売りたいと思った人達が、作った本を持ち寄って売る場所です。自分はコミケというものに行ったことはないけれど、それの活字の本ver.と思ってもらうのが一番合っているのでは、と思います。フリーマーケットの屋内・机ありver.でも可だと思います。
全国各地で開催されていて、東京では年に2回、5月頃と11月頃に開催されています。来年11月はなんと東京ビッグサイトで開催されます。すごい!
場所は、東京モノレール線「流通センター駅」です。私は文学フリマでしかこの駅に降り立ったことはないくらいゆかりが無すぎる駅です。寝てしまうと羽田空港第2ターミナルまで行っちゃいます。私は寝ちゃったので行きました。
当日、モノレールは時間によってはけっこう混むので注意です。モノレールからは東京湾から流れ込んだ運河とでけぇ倉庫が見えるので、眺めてたらワクワクしてそれなりに楽しかった気がします。
駅に降りると申し訳程度にゆで太郎があります。まじで誰が食うねんと思いながら私は素通りしてますがけっこう食べてる人もいます。ところでゆで太郎の看板が真っ青なの、けっこうやばいですよね。
ゆで太郎を過ぎたあたりにでかでかと看板があります。そこを曲がると大きな建物が二つあります。第一展示場と第二展示場です。Webカタログを事前に見て、行きたいブースをメモってそれぞれの会場を順に回っていくのが効率的だとは思いますが、私が初めて行った時は、数ヶ所行きたい場所の目星をつけて、後はひたすらぐるぐる回っていた気がします。
私はきっちり予定を組みすぎると他の場所には目もくれなくなってしまうので、ふら〜っと回ってる時に不意に目に入った本との出会いを大事にしたいと思ってます。
会場は時間によりけりですが、年々人口密度が高くなっている気がします。混んでいるスーパーくらいのイメージです。逆走しようと思うとちょっと難しい、くらいの感じです。ぎゅうぎゅうで動けない、ってことはないかなあ。
今年の5月に参加した時は本当に人がすごくてあんまり体調が良くなかった自分は早めにリタイアしちゃいました。なので、無理はせず自分のペースで休んだり帰ったりして良いと思います。
ブースに座っている出店者の方々のスタンスは様々で、呼び込みをしてる方や、静かに座ってる方、立ち止まって眺めていると声をかけてくれる方、様々です。
見本を置いているブースがほとんどな気がするので眺めてもいいと思うけど、眺めたら買わなきゃいけないんじゃないかって気もしますよね。私は思っちゃって見本を手に取る時にはけっこう覚悟して手に取っちゃいます。でもまじでそんなに気にしなくていいと思います。出店する側になって思うのは、買ってくれなかろうが立ち止まって一瞥をくれでもらえるだけでもありがたい限りです。まして見本を読んでくれたら、それは買ってくれたのとほとんど同じくらいの嬉しさです。
あと、出店者の方が別のお客さんと知り合いで、和気藹々と長い時間話しているとこれまた立ち寄り辛いみたいなことも、自分がちょっと過剰に気にし過ぎなのかもしれないですが、ありました。
これはなかなか難しいです。きっと出店者としては、足を運んでくれた友達や知り合いがいれば嬉しくて、言葉を交わしたいといつも以上に思ってしまうと思います。私もそう。でもその瞬間、立ち寄ろうとしてくれる人、通り過ぎてしまう人がいるかもしれないということを忘れないようにしたいと思います。とはいえ、もし立ち寄り難い瞬間があれば、別の場所をぐるっと回っていたら、きっと立ち寄りやすくなるベストな瞬間も来るはずです。あぁ、行けないと思ったままにしないようにお互い最適な空間と時間を作れたらと思います。
売っている本の値段は様々です。一冊500円〜1000円が多い気がします。仕様によってそれよりも安いものや高いものももちろんあります。調子に乗ってあれもこれもと買っていたらけっこうな出費になります。これはうまいことコントロールするしかないけれど(自分も)、とはいえここでしか買えないのでは、と思うと財布の紐も緩みます。まぁそこは無理のない範囲で。自分も売り手以前に一人の参加者なので、考えた上で読みたいという気持ちを優先したいと思っています。
結局長くなってしまいましたが、文学フリマとは?ということに関しては一通りこんな感じでしょうか。
文学フリマのWebページには「文学フリマとは?」という問いに、こうあります。
作り手が「自らが《文学》と信じるもの」を自らの手で販売する、文学作品展示即売会です。
初めて会場に行った時に感じた魅力はまさにこれだった気がする。この人たち、誰に頼まれたわけでも仕事でもなく、作りたいと思ってこの本作って売ってるんだ。それを買いたいと思った人に手渡してるんだ。と、言ってしまえば当たり前のことに深く感動した記憶がある。でもそういう場というのは自発的に動かないと発生し得ない。
その場に触れて、自分も本を作ってみたいと思った。それがきっかけで書いていた日記を本にした。その時はタイミングが合わず文学フリマには出店しなかった。本当のことを言えば不特定多数の目に晒すのに自信がなかったのかもしれない。
でも今回作った「街の声」という本は、こういう本が作りたいと思って、そのコンセプトが浮かんだ時に同時に顔が浮かんだはらさんと一緒に作った。クオリティや内容の違いではなく、今回は目指すべき場所として文学フリマがあった。だからかわからないけど、沢山の人に読んでもらいたい本ができた。そういう意味のある本になった。こういうものが作りたかったと、作りながら何度も思った。
作ったものを並べてブースに座ることを想像するだけでもわくわくするし、どんな人が来て立ち止まって手に取ってくれるんだろうと思うとそれはもう楽しみで仕方がない。それは、現地でなくても同じです。
文学フリマ後には通販もする予定なので遠方の方でもし読みたいという方がいたら、そちらから購入いただければと思います。それも同じように楽しみという気持ちと、ありがたい気持ちでいっぱいです。
では、本を通してあなたの手や目と触れ合うその時まで!