anomeno

神様の気まぐれなその御手に掬いあげられて

下書きのつもり

ずっともやもやしていた。自分の好きな人が非難されたり、冷笑されたり、あまつさえ小児性愛みたいな言葉を向けられるのはやっぱり気分が良くなかった。ただ、もちろんそれぞれの価値観があるので嫌悪を示す人がいるのもそりゃわかる。その人を否定するのもまた地獄だ。だからとにかくSNSなんかでは何も発したくないと思った。表明する意味がないし、したとして何も気持ちよくない。

おれはこの件について肯定も否定もする気が全くない。というか自分がそんな立場にいるわけがない。芸能界(のみに関わらず)に立場や年齢を利用した性搾取があるならば、明確にそれには嫌悪とともにNOを示すけれど、今回の件がそもそも是非を問うことに思えない。本当に「へ〜」としか思えないんだ。ほんとに。もやもやと考えてみたけれど、確かなのはおれが岩井さんをハライチを好きなことは変わらないと言うことだけだった。

今週のハライチのターンを聴いてもそれは変わらなかった。それは自分が贔屓目に見ているからかなのだと思うけれど、話していることを聞いたら可能な限り最大限に真摯な姿勢で向き合っていると思った。でもそれすら全てとは思っていない。物事には当事者たちにしか知り得ない時間がある。それを他所から来た人が白か黒かで塗りつぶすな。それだけは強く思う。

恋愛なんてどんな形であれ、どこまでいっても打算的でグロテスクで他人になんて理解し難いものだと自分は思う。何もかも人に詳らかに出来ることなんてない。

とはいえ「自分が好きなものがキャンセルされること」がこんなにもあらゆるところで、実感を伴いながら大小発生していくなんて数年前には思っても見なかった。これは「好きなもの」がある人であればもう安全圏にいる人なんていないんじゃないだろうか。これに対する向き合い方は、自分もまだわからない。だから色んな人と話してみたい。自分の好きなものや人が、社会から正しくないと判断されたら。その時わたしたちはどういう態度でいられるのか。