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神様の気まぐれなその御手に掬いあげられて

2021.09.10(こわれた鏡ぴっかぴかにいつまでも光らせて)

悩んでも悩んでも元気である。昨夜は全然眠れなかったけど、眠れないながらPOP LIFE THE PODCASTMCU最新回を聴いていた。なんであーだこーだ言ってる時間ってこんなに楽しいんだろうね。自分も『ロキ』にはむちゃくちゃ憤慨したけれど楽しんではいるので良し。いつのまにか眠っていた。陽が照っていて暑かった。会社でお昼に中華丼を食べた。同期と「夜中にお腹が空くのは脳がバグってるだけ論」について話した。

そう。昨日はSMAP結成30周年の日だったのです。アトロクでセク山さんがSMAP MIXを流していたのを聞いたりした。友達から下北でノンストップSMAP3時間MIXのDJイベントがあるのを教えてもらったけど、自分の住む場所からは到底スタートに間に合いそうもなかったので部屋で配信を見ることにした。年に3、4回は「ああ。SMAPがいればなあ」と真面目に思うことがある。今、SMAPに歌ってほしいことが多すぎる。「どうにかなるさ人生は/明るい歌でも歌っていくのさ」って言ってほしいし、「笑顔抱きしめ悲しみすべて/街の中から消してしまえ」って言ってほしい。そんな言葉がTVから聞こえてきてほしい。心底思うけど、もう彼らはいない。うちの親は行動力のあるミーハーで2001年に地元の国営公園SMAPがツアーで来ると聞くと、大して知りもしないのにライブに行く!と言ってチケットを取っていた。譲ってもらったそのチケットは幸運にもとても良い席だったらしくその日から完全なSMAPファンになっていた。自分の親がちゃんと行動力のある人だったことは誇りに思いたい。ちなみにその日のライブが吾郎ちゃんが捕まってしまう前の5人が揃った最後のライブという貴重な日だったりもする。それからうちの親はライブツアーがあると必ず参加してた。会場に入れない自分は父親と外で漏れてる音を聞きながら駐車場で待っていた記憶が強く残っている。ドラマ「プライド」のロケにエキストラで参加してたときは流石にやべぇと思っていた記憶がある。とはいえ物心ついて音楽というものに触れたそれはSMAPだったのだと思う。家の中ではライブDVDが映っていたり、車の中では延々とアルバムがループされているので、すっかり詳しくなってしまった。アルバム曲もそらで歌えてしまう。特別な感情は自覚してなかったけれど好きになるだけの十分な土壌が自分の中にはあった。歳を重ねていくにつれてそれは少しずつ少しずつちゃんとした「好き」になっていった気がする。だからこそ2015〜2016年の地獄のような時期は親に隠れて自分も涙を流したりした。あんなに辛いことはなかった。ふと今日休憩時間にSMAPについてのWikipediaを見ていたら、一連の解散騒動が事細かにまとめられていて最早wikiじゃなくて小説を読んでるのかと思ってしまってちょっと笑った。でも読み進めてくうちに当時と同じ悲しみや辛さを思い出したりもした。

解散後にラジオ特番を組んだ斎藤一美さんの言葉を綴った文面に会社で一人涙ぐんだりした。

また、斉藤は涙声で「SMAPの歌は勇気をくれて、悲しい時は寄り添ってくれて。仕事で泣いた時は“頑張りすぎなくてもいいんだ”って。“でも前には向かなきゃね”って、癒やしながらも背中をそっと押してくれる、そんな力があると感じています。結婚して子どももできて、その子たちが歌ってくれた『世界に一つだけの花』。この歌はきっと、ずっと受け継がれていくのだろうと思っています」

SMAPの歩んできた軌跡を語るのには短すぎではありますが、ダブルA面を含めたシングル全63曲コンプリートいたしました。どれも本当に心に残る素晴らしい曲ばかりです」

「私たちはSMAPのおかげで幸せになりました。SMAPがいたから、僕らはとことん笑顔に変わることができました。今、無性に胸が熱いです。本当にSMAP、みんな6人ともありがとう!」と感謝のメッセージを送った。

3時間ブン回しのDJ U NGSMさんの最高のMIXを聞いて改めてその名曲の多さと音楽の先見性に曲が繋がるたびにため息が出た。現地にいる友達と逐一LINEで反応しあいながらむちゃくちゃ楽しんだ。たぶんアーカイブが残っているのでまだ見れます。自分もまだまだ何度も事あるごとに見たいです。

"ナンバーワンにならなくてもいい/元々特別なオンリーワン"みたいな教科書的なメッセージを背負いながら、彼らから滲み出るのは"普通であること"とか"人と変わらないこと"だったりするような気がしてならない。踊れないアイドルという烙印を押されて始まったその歴史の中で、だからこそ彼らにしか出来ない表現があったはず。それでもやっぱり国民的なアイドルになって、到底想像も出来ないような悲喜こもごもを背負っていただろうに、失ってしまった二度と戻らない時間もあっただろうに、それでも"人はSupermanじゃない"と歌う彼らがどうしようもなく好きだったことをちゃんと実感した。

ということでシングル曲ほぼ抜きの「普通にめちゃくちゃかっこいいじゃん!」なSMAPプレイリストを作りました。30年の30曲です。とはいえ、サブスク解禁はされる気配もないので曲目を眺めるだけになってしまいますが聴けるならむちゃくちゃ聴いてほしいです。

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