anomeno

神様の気まぐれなその御手に掬いあげられて

2019.08.14〜2019.08.16

14日

友達と雪室酒造を見に行った。ビールの醸造所もあった。ビールの醸造所とはいえ見えるのは床を這うホースと並び立つタンクだけである。このなかであの液体が作られてるのか〜という想像をするだけ。日本酒を貯蔵する雪室には入れず、雪室くらい寒い部屋に入ってアホみたいな暑さを凌いだ。お昼に食べた大ロースかつがいつまでも胃の中にいるみたいだった。お盆休みはわりと常に胃がパンパンになってたのでめちゃくちゃ胃が疲れている。帰ってきてカレー屋さんに行った。マサラを始めて食べた。マサラが何者なのかすぐ調べたくなったけど今の今まで忘れてた。またお腹はぱんぱん。運転してくれた友達の車の中で最近聞いた怖い話を話したり聞いたりした。自分のネタ元は大体ほん呪から。

 

15日

栃尾の油揚げを食べに行く。密度が違う。とにかくぎっしりしてる。ぎちぎち。おなかはぱんぱん。帰ってきて友達と会う。またひたすら食べてた。ラーメンと寿司。あてもなく夜の街を車で彷徨いながら、申し訳程度に手持ち花火をした。ドンキで買ってきた花火に、夜の土手で火をつける。久しぶりに花火の匂いをかいだ。コンクリートには白い跡が残る。線香花火の火が消えていくスピードは年々早くなるみたいで、この夏の休みの終わりが近づいてきているのだと言ってるみたいだった。

 

16日

お昼に新幹線に乗って故郷を発つ。駅のホームに立ちながら、道路沿いで食べたカップラーメンとか、コンビニの前の煙草の吸殻とか、花火でコンクリートにつけた白い跡を想像した。誰かがいた痕跡、何かをした痕跡を想うと切なくなるのはなぜだろう。きっとそれは少しずつ少しずつ薄くなって時間とともに消えていく。人は掴めない過去にどうしたって価値をつけて想いを馳せてしまう。ものすごいスピードで遠ざかっていく故郷の景色を新幹線の窓から見ながら、また帰ってくればいいや、と思った。人の多さで余計に暑苦しい東京に着き、新代田であるTHE NOVEMBERSのライブに向かう。リリースから11年の「picnic」というアルバムの曲と最新のアルバム「ANGELS」の曲を演奏するライブだ。過去作の再現ライブにはレア度以外の価値はないと思ってしまうくらいには、回顧に興味がないのだけど、今日のライブは今picnicをもう一度鳴らす意味というかそういうものをビンビンに感じた。音のレンジがむちゃくちゃ広くなってて単純にバンドとしてむちゃくちゃ成長してると思った。早く野外でライブしてほしい。