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神様の気まぐれなその御手に掬いあげられて

2019.09.09

美味しいチャーハンは作ることができても綺麗なチャーハンは作れない。ここ数日綺麗なチャーハンを作ることに挑戦してるけど、これが難しい。茶色くなってしまうのは醤油をかけすぎてるから?卵が焦げちゃうのは火力が強いから?入れるのが早いから?全然わかんない。わかんないことだらけ。

昨日眠れなかったのはやってきた台風の音がうるさかったからだろうか。それともお昼に寝てしまったからだろうか。もしかしたら台風が来るとどこかでワクワクしてしまうのかもしれない。起きてJRのホームページを見たら普段使ってる路線が軒並み運休だったのでベッドにバック。しかし一度覚めた目はこういう時に限ってもう一度まどろんではくれない。スマホをいじりながらかれこれ1時間くらいたって、なにを思ったかチャーハンを作った。どうかしてる。食べたらちょっと眠くなってきた。もう一度スマホを確認すると運転再開とのこと。いっそ午前中は休もうかとも思ったけど怖いもの見たさで部屋を飛び出す。空はすっかり晴れているのに、地面には落ち葉や何処かから飛んできたペットボトルやカラーコーンが散らばる。駅に着くと人でごった返している。ホームに入りきらないほどの人、人、人。なんとか電車に乗り乗り換え駅へ。電車を降りて階段をあがると改札を通りきれない人。人。人。私鉄に乗り換えるには駅をぐるっとまわって行かないと行けないらしい。人のちょっとした悪意やため息で押し固められたみたいな空間だ。人を押しのけて進もうとする人。露骨に肘を当てて牽制して来る人。スマホで漫画を見ていて進まない人。うわーっ!と叫びたくなる。

仕事を終えて、朝来た道を帰る。何事もなかったような景色だ。人でごった返していたホームはもうがらっとしていて、蒸し暑い空気だけが台風のちょっとした残像として残る。会社の更衣室から真っ赤な夕陽が見えた。もういろいろと終わるよって言われてるみたいなこの世の終わりの空だった。