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神様の気まぐれなその御手に掬いあげられて

2019.06.03

いま住んでいる町はとても猫が多い。自分の部屋から駅まで歩く間に見ない日はない。この前なんて、帰ってきたら、塀の上と下にいて両方こちらを見てやがった。見られたって何もあげるものもないし、首のひとつもくすぐってはやれない。しかし猫は見ることをやめない。おれが動けばそれを目で追う。止まって振り返る。見ている。動く。振り返る。見ている。部屋に入ってドアを閉める。開ける。見てない。そういうとこよ。

 

サブスク解禁、ってどういうタイミングで決めてるんだろう。自分はもはやサブスクにない音楽は存在してないのでは?と思うくらいには手放せないので、さっさとすべて解禁してほしいと思ってしまう。惰性で、なにかのステータスのようにCDを買うことにはなんの意味も感じなくなっている。でも、これは歌詞を読みながら聴きたい、とか装丁がめちゃくちゃ好みとかだったらアナログを買うか、なければCDを買う。

つい最近解禁されたSyrup16gを久しぶりに聞いた。昔から好きだったものはたとえ距離が離れてもずっと好きだ。一番最新の「delaidback」は聞けていなかったので聞いた。犬が吠える時代の未発表曲が数曲入っている。「赤いカラス」という曲がある。おれは未だに、Syrup16gが解散して、突如、五十嵐隆のソロ名義で始まった犬が吠えるのライブ密録音源の「赤いカラス」が忘れられない。くそ音悪くて、ギターもヘロヘロで声も出てない。歌い出しが「赤いカラスが笑った/涙とまりそうです」で、「何だよそれ、、」とちょっと涙目になりながら思ったのを覚えている。