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神様の気まぐれなその御手に掬いあげられて

2021.09.05(家福音)

夜遅くまで友達と電話で話していた。aikoの歌詞とかカネコアヤノの歌詞を読んでこれはなんだろうねとかを話していた。気付いたら鳥が鳴き出してきたので寝た。起きてご飯を食べながら録画をためてたゴッドタンを見た。ケンカ仲直り王決定戦のかが屋とアルピーの回、久々に爆発を見た。「クロロホルム?」とか「前科者ですか?」は今年屈指の名シーン。酒井ちゃんのコンビ名大喜利が100点だったのも良い。テレビポンコツ扱いの酒井ちゃんもおいしくて良いけどちゃんとセンスの人であるってところがピックアップされた瞬間だった。電車に乗って映画を見に行った。濱口竜介の『ドライブマイカー』を見た。観た後に、良い/悪いとか好き/嫌いの判断を簡単に出来ない気持ちに久々になった。この感情は思えば監督の前作『寝ても覚めても』以来かもしれない。この状態はとても気持ちがいい。位置関係やそれを捉える撮影は言うまでもなくバチバチにハマっている。どこにカメラを置いていて、いつカットが切り替わるかで不穏さを維持させるというか細いロープの上を3時間歩いている気分になる。黒沢清だなぁと思ったりもした。それに加えて自分にとっては割と「声」と「音」の映画だったと今は思う。三浦透子演じる渡利みさきが登場して初めて口を開くシーンの発声のトーンが絶妙。その反対に声を発しないシーンに心理のさざめきの様なものが一層際立つ気もした。あとは劇伴が流れ出す瞬間(片手で数えられるくらいに少ない)がどれも絶妙。他にも椅子が倒れる音や駐車場のブザーの音の画面への残り方が映像との齟齬を産んでいるようで気持ち良かった。演じることや感情と行動の話でもありながら自分にはやっぱり「男性性」の映画に今は思えている。でもそう思うと、この映画の中の女性に対する男性の視線や希望(のようなもの)には薄らとした違和感を感じるような気もした。まだまだ気もしたばっかりな状態。コメリが大写しになるのは気がしたではなく良かった。3時間の尺だったので終了後はトイレに人がいっぱい並んでた。自分も並んだ。日比谷に来るとやっぱり自然と足がHMV&BOOKS COTTAGEに向いてしまう。いつから買うための本を買いに行くために本屋に向かうことが多くなってしまったんだろう。でもCOTTAGEだけは好きな本屋さんとして、ただ行きたくて行ってしまう。案の定、欲しい本だらけになってしまったけど、まだまだ読んでない本がありすぎるので冷静になってやめた。やさしさについて、のコーナーのラインナップが良かった。暗くなる前に帰ってきた。家でご飯を食べた。寝てないのに寝てるのと同じみたいな時間の過ごし方をして気付けばこんな時間になってしまって日曜日は今週も終わった。部屋を眺めて、いやが応でもこいつらを段ボールに詰める日が来ると思うとただただ気が滅入った。