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神様の気まぐれなその御手に掬いあげられて

2021.10.30(ひらいて見た)

昨日は寝落ちしていたので、明け方に昨日の分の日記を書いたりPodcastの音声を編集したりしてまた寝た。結局9時くらいに起きて朝ごはん食べた。宅配を受け取るつもりが住所が変更されてなくて再配達してもらった。Paraviの無料期間が終わってしまうのでなぜか駆け込みでキングオブコント2015の巨匠のコントを見た。回転寿司のレーンの内側に埋め込まれてるやつ。やっぱりこの2015年の大会の空気は今見ても好きになれなかった。当時も家族とテレビを見ながらブチギレてたことを思い出した。今さら引越しのときの段ボールを引き取ってもらってから外に出た。映画館に入って少し時間を持て余していると、勧誘のお兄さんに声をかけられた。イオンシネマの会員とかかな?と思ったらU-NEXTのやつだった。話聞くだけでも次回の映画の無料券が貰えるってことだったので流石に聞いた。とりあえず一定期間U-NEXTに加入すればいいらしい。最後に「これって1ヶ月経って普通に解約してもいいんですよね?」と確認で聞いたら「いやでも映画好きなら入っといた方がいいっすよ普通に」って言われたので、はいそのノリでくるならやめまーすと内心思いながらその場を去った。U-NEXTに罪はない。内容が充実してることもわかったけどその感じの対応は嫌です。

劇場に入って首藤凛『ひらいて』を見た。見てるうちに身体が溶けていてザワザワしてる感情だけが座席に残ってるような、そんな気分になった。凄すぎる。あまりに良すぎる。2010年代に山戸結希がオーバーグラウンドなスクリーンに『溺れるナイフ』を映し出したその流れ先にある次の大きな山がここ、2021年にスクリーンに映される首藤凛の『ひらいて』だ。間違いない。今年、他のどんな映画を見てなくたってこの映画を見ない手はないです。いや、本当に。校舎の暗闇を照らすのはiPhoneのライトだし、朝を告げるのもまたiPhoneのアラーム音だし、LINEのなりすましが物語を動かす。しかしその反対に、手紙や自転車といった映画の古典的要素が効果的に配置されてるのも良い。トマトジュースからの血の赤、ファンタグレープからのあの展開という、色が常に何かを予感させるように点在してることとか、その中心にあるピンクがどこに在るのかにも注目したい。何より山田杏奈さんと芋生悠さんの完全にキャリアハイの演技こそこの映画を推進しているのは明白な気がする。あの二人じゃなきゃありえない。見方によってはセクシャリティ云々の物言いがありそうだけど、これはもっと根源的な人が人に心を『ひらく』までの話だと思う。だからこそラストのあの身体の動きと一言に心底胸を震わされるわけです。あとはねえ、カラオケのシーンが抜群に良かった。映画に出てくるカラオケのシーンって何であんなに良いんだろう。『きみの鳥はうたえる』のオリビアを聴きながら、『佐々木インマイマイン』のプカプカ、『夜空はいつでも最高密度の青色だ』のCHE.R.RYね。今回で言うとJUDY AND MARYの「散歩道」がそれです。スクリーン出て即パンフ買いに行こうと思ったら売り切れていて、自分の前に並んでた2人も買えてなかった。無念。

歩いて帰る途中に大きな観覧車があって、ああ。麦くんと絹ちゃんが最後に乗ったやつだなと周りのロケーションを見て思った。ペーパーハウスのコスプレをした若者とすれちがった。別の施設ですぐに綿谷りさの原作を買った。帰る途中に寄った刀削麺のお店で完全に小学生の男の子が店員やっててびっくりした。麻婆刀削麺がひたすら辛かった。久しぶりに話す友達と通話しながら3駅分くらい歩いて帰った。

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