まさか寒っ！と思いながら8月に起きるとは思わなかった。憂鬱ここに極まれり、という感じで朝ごはんを食べながらゴッドタンのラジオ芸人サミットを見た。のそのそ準備をしながらゴミを出して部屋を出た。少し肌寒いのにジメジメしててセミが鳴いてる。変な景色だ。ひたすら先週聞けなかった分のラジオを追いかけた。9日ぶりの仕事なんてもうなにがなにやら分からず、なにがなにやらわからないまま時間が経っていたような気がする。蒸し暑くなるくらいにようやく何をすべきか思い出してきた。そんな感じで仕事を終えて、帰り際に夏休み前に面接をした別部署の社内公募の結果が届いていた。内定していた。自分で希望して書類も出して、面接もしたはずなのに嬉しいんだかなんだかよくわからない気持ちになった。正直いまの場所はどっぷりとしたぬるま湯みたいな場所で、別に不満もないからいつまでも浸かっていられるけれど、だからといって特別な何かがあるわけでもない。それってとても恵まれてるのでは、別に仕事に特別なんて求めなくても、と思ったりもするけれど心のどこかでは少しずつ何かを消耗していっているような気がしてぬるいことが段々気持ち悪くなっていった。締め切りが迫る中でこのまま応募しなかったら多分ずっと引きずるよなぁ、とサウナから出て水風呂から上がったタイミングで思ったのを今でも確かに覚えている。ぬるま湯だの水風呂だの言っているから何が何だかわからなくなる。とりあえず、何かそこで気持ちが固まったのは確かだった。そして今、ぬるま湯から上がらなきゃいけないタイミングが来た。自分で望んで選んだことだ。だからこそ腰が、足が、重い。もう少し入ってたっていいんじゃない？と心のどこかで自分が言う。いや、そんなことはない。少なくとも、出ようと思ったのは自分なのに。
無性に誰かと会って、話したくなった。20時過ぎ。暗くて蒸し暑くて、まだ蝉が鳴いている道を歩く。飲食店は灯りを消してシャッターを閉めている。コンビニに寄ったけど何も買わずにぐるりと回って自動ドアを出た。部屋に帰ってきてご飯を食べた。録画したテレビ千鳥の芸人ポーカーを見て笑った気がしたけど笑ってるのかどうかわからなかった。ずっとそんなことばっかり言ってるけど自分がよくわからない。誰かのことより、社会のことより、自分のことが一番よくわからない気がする。エアコンをつけても、もうそんなに冷えた感じがしないのはとっくに気温が低いからだ。
