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神様の気まぐれなその御手に掬いあげられて

2019.06.19

地震、大丈夫ですか?とりあえず家族や友人は無事みたいでよかった。一人の時に地震が来るのってとても怖い。大きな地震があった時の記憶はずっと覚えている。2003年の中越地震の時は塾にいる姉を迎えに父親と母親と車に乗っている時だった。嘘みたいに揺れて、バタバタ倒れていくカラオケ屋の前の自転車を覚えている。一旦家に引き返すことになった車内で、あまりの恐怖と緊張から放屁をかましてしまった少年わたし。母親が、「ガスのにおいがする!どこかから漏れてるかもしれない!」と騒ぐ。自分のおならだとはとても言えずに黙る少年。塾にいた姉は親戚に迎えに行ってもらい、家で待機。余震のため家に入るわけにもいかず、家の前の道路で近所の人たちと過ごす夜。余震が来るたびに隣の家のばあちゃんに抱きつかれて、むちゃくちゃ口が臭かったのを覚えてる。ガスバーナーでお湯を沸かしてスープを飲んだ。

高校を卒業した春に東日本大地震。バンドの練習から帰ってきて、家で一人で水曜どうでしょうのジャングルリベンジを見ていた。揺れにびびって外に飛び出すも、あまり人がいなかったのと高校生ゆえのかっこつけか、そそくさと家の中に戻って余震の中あろうことか水曜どうでしょうの続きを見てた馬鹿。ニュースをつけてことの深刻さを知る。当時好きだった人の親類が仙台に住んでいて、安否の確認ができないのが気がかりで、なにも出来ないことが無性に不安で眠れなかった。自分が寝ないことでなにかがうまくいくと思ってた。徐々に入ってくるニュースを見たくなくて、携帯の電源を切って「よつばと」を必死に繰り返し読んで気を紛らわせてた。次の日、無事に安否が確認できて安心したら無性に友達に会いたくなった。全く関係ないのに、不謹慎という言葉を初めて心に覚えながら友達に会いに行って普通に遊んだのを覚えてる。

 

サカナクションの新しいアルバム、「834,194」を聞く。好きが故にいろいろ言いたいことがないでもないけど、良い曲がいっぱい詰まった良いアルバム。今後は健康的に活動してほしい、とMUSICAを読んで切に思った。あとタイアップは闇雲に取るべきでないということは、サカナクションとBUMPに関しては声を大にして言いたい。

 

仕事を早めに切り上げて、「町田くんの世界」を見に行った。映画見るの、すごい久しぶりに感じた。ここ最近、自分がここに書いていたようなことが映画の核になっていてびっくりした。主演の細田佳央太くんと関水渚ちゃん。誰かみたいだけど誰でもないルックと抜群の瑞々しさが最高だった。終わってみればこの二人以外ありえないと思わされる。脇を固める前田敦子、太賀、池松壮亮は本当に最高だ。でも石田裕也の映画に頻出する「スマホに没頭するひと」を現代の象徴みたいにするのはちょっと苦手。