anomeno

神様の気まぐれなその御手に掬いあげられて

2019.07.25

玄関を開けると夏が立ってた。そんな感じの毎日の始まりである。永久に終わらないんじゃないかと思った梅雨は明けて、わずかばかりの蒸し暑さを引きずりながら空は阿呆みたいに青い。サウナで汗腺ががばがばになってる自分なんかはちょっと歩けば汗をかいてしまう。体に入れたイオンウォーターがそのままで出てきているような気がする。電車からは制服が消えて、残ったのはスーツだけ。明日はフジロック。休みということは事前に伝えていたけど、偉い人って大体そういうのは忘れる。怪訝な顔をされようがいいんだ。一年にたったの3日。3/365だ。なんでそれを制限されよう。社会人である前におれは人だし。とはいえまぁ社会人としての最低ラインとしての仕事は済ませつつそそくさと退社した。会社のドアを開けるとフジロックが立ってた。そう、この瞬間からおれのフジロックは始まっている。いままで流した汗も、すべてはこのときのため。これから流す汗は、きっとそのときのため。