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神様の気まぐれなその御手に掬いあげられて

2019.07.20

ほんと、嫌なニュースばっかり。憂鬱になる。何かを変えようとすると抑圧を受けたり、理不尽な力で何かを抑えつけようとしたり。好きだった何かが急に奪われたり。なんでなん。おかしいよほんと。そんなことをぐるぐる考えていた。

お昼から映画を観に行く。デヴィッド・ロウリーの「さらば愛しきアウトロー」を見た。完全に監督が好きだから観に行った映画で、ロバート・レッドフォードの引退作みたいだけどそこまで思い入れもないのでそういう視点では楽しめなかったけど、映画自体はむちゃくちゃ良かった。爺さんが車を走らせてるだけの画がなんでこんなにスリリングになるんだろうと思わず笑ってしまった。イーストウッドの「運び屋」と通じる何かがある。辿り着く答えは割と真逆な気もするけど。これだから映画は面白いよなあ。

映画が終わってTwitterを開くと最初に書いたようなため息をつきたくなるようなことばかりが連なる。今日はもともとK-PRO主催のお笑いライブに行く予定だったのでそんなニュースを見た後だからか、もやもやは大きくなりどうしようもない考えがぐるぐるして、頭の中をそのまま表すように下北沢を1時間くらいぐるぐる歩いていた。時間になって会場に行く。今日のライブは10分のネタをそれぞれ披露していくという括りで、好きな芸人さんしかいないのもあったけどむちゃくちゃ濃厚だった。ランジャタイの女子シンクロ選手になりたい、のネタがくだらなすぎて最高だった。握りっ屁を嗅がせる下りが2分くらいあって涙が出るほど笑った。YouTubeで見て大好きだった、かが屋も最高。家族全員が大好きだった近所のくら屋が潰れることを知り、父親と母親がが息子にそれを伝えるという設定で、この世界にあり得る幸福な日常を切り取った最高のコントだった。オチも最高。一番好きだったのはギースかなあ。カクテルを作るシェイカーを振ってるときだけ降霊術が使えるバーテンと客という設定で、5年前に交通事故で死んだ嫁がバーテンの身体に降りてきて、お互いに言えなかったさよならを伝え合うという下りだったんだけど、普通に見たらおっさん同士が抱き合ってるだけなのに思わず涙が出てしまった。さらばの「甲子園で優勝した高校球児をNHKの受信料集金業者にスカウトする」というネタも最高だった。声出して笑うってほんとうに健康的で良い。会場のみんなが笑ってた。元気でた。元気ついでに珉亭で半ラーメン半チャーハンを食べて帰ってきた。ピンクのご飯が炒められて、素朴なラーメンからは湯気が立っている。クソみたいなことばっかりの世の中だけど、そのなかで自分の心と手で自分の信じるものや人を選んでいくしかないんだと思った。