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神様の気まぐれなその御手に掬いあげられて

備忘録 [2017/01/11~24]

1月11日

・フリースタイルダンジョン。いよいよこのシステムは見直したほうがいいかも…と思ってきた。チャレンジャーが3人1組ってのはまだまだ知名度の低いラッパーが名前を売るのにはいいかもしれないけど、出れないまま終わってしまう人がいるというのはどうなんだろう。しかも満を辞して登場したふぁんくが出れないなんて!誰もがみたかったR-指定vsふぁんく。いつか実現してください。

 

・なんでこんなツイートをしたのかがわからない。

 

1月12日

・別に大した意味はないけど、雷やばい!とか雪がやばい!(特に僕が住んでいる地域では)とか普通に言うのつまらなくないですか?そんなん言っても雪が減るもんじゃなし!ブーブーいうくらいならなんか面白いこと言おうぜ。なんかいっこ遠回りしようぜ。

 

・『就活家族』の第1話を見る。うーん。唯一面白かったのは新井浩文演じる就活塾の塾長の明らかな胡散臭さくらい。というかいい加減に、わかりやすい悪役と勧善懲悪やっときゃいいと思ってた大間違い。ドラマでもわかりやすく白黒別れてたら息が苦しい。グレーな人はいないものか。第2話は倍速で見ました。

 

・今も笑える。動画でどうぞ。

 

1月13日

・The xxの3枚目のアルバム『I See You』がもう最高。毎日聴いている。とにかく抜けがいい。これまでのイメージを残しつつそれをしっかりマスに向けて放てる形に消化しているのが素晴らしい。ぜひフジロックのグリーンステージで拝みたいです。

 

・同上。

 

1月14日

・ロマンチックのかけらもないほど雪が降っていた休日だった。

 

・とにかくキングダムハーツがやりたくてしょうがなかったのだけど、据え置きのハードはPS2しか持っていないと言う化石っぷり。その欲求を満たせるのはアプリ版のゲームしかまかったので仕方なく始める。明らかにそれはキングダムハーツの匂いのする別の何か、に過ぎないので欲求は満たせていない。

 

NHKドラマの『お母さん、娘を辞めていいですか?』の第1話が面白かった。ありがちなホームドラマの作りをしているのに、異様な狂気を孕んでいる。薄皮一枚めくるとおぞましいものが広がっているような。柳楽優弥の軽そうで目も気も利く感じとか、波瑠の清楚を打ち破る感じもいい。

 

1月15日

・日本のポップキングはSKY-HIと三浦大知かもしれない。いやきっとそうだろう。ポップであることを高らかに誇るような、ポップにしかない確かな強みを打ち出している。その上足腰も強い。

 

・『A LIFE』の第1話。普通。やっぱりどうしたって既視感は否めない。異常に小物な浅野忠信が新鮮なくらいか。個人的に好きだったのが、木村拓哉演じる医師が資料を床に並べて整理するシーン。スティーブ・ジョブスっぽい。あんまりストーリーには絡んでこなかったけど。

 

・『関ジャム』での2016年音楽ランキング。素晴らしかった。某音楽雑誌(一冊とは言わない)に掲載されているような凡庸な年間ベストよりもめちゃくちゃ意義のある面白さだった。こう言うテレビがもっとゴールデンタイムにあったらいいのに。あと渋谷すばるさんがローランドの808を持っていると言うことに驚いた。

 

1月17日

・待ちに待った『カルテット』そわそわしながらテレビの前で待っていました。始まったその瞬間からニヤニヤしながら見ていたと思う。あと、ドラマを見ていたら我が家のお茶の間がどっと沸いた瞬間がいくつかあって。(バディーソープのところとか)最近のお笑い番組とかではあんまり起こらなかったことがドラマで起きるって実はすごいことじゃないだろうか。しかもこんなトーンのドラマで。みぞみぞしてきたね。

 

1月18日

・人生には三つの坂がある。上り坂。下り坂。まさか!!!!!!!!!

 

・一度サウナに行きたいと思うと、もうそう思わなかった頃には戻せなくなる。これもまた不可逆。ということで夕方ごろに「サウナ行きてえ…」と思ったためそれもモチベージョンに少し頑張って卒業論文を書いて、研究室を飛び出した。気持ちの問題なのかこの日の整い具合が半端じゃなかった。そしてその後の食欲がとんでもなかった。

 

・『東京タラレバ娘』の第1話。げんなりした。それこそ「逃げ恥」を見る前だっ"たら"とか時間の枠が違ってい"れば"とか考えてしまった。なんだか原作にあった「仕事」の側面がないように見えたのが個人的にものすごくがっかりだった。

 

1月20日

・A-Studioで一生さんが話していたインディーズとメジャーの話からこの人になぜこんなに惹かれているんだろうと言う疑問の一つの回答が出たような気がした。

 

1月21日 

・今年初映画館。「ドントブリーズ」を見た。地方では1ヶ月遅れでの公開なので2017年に見た映画としてカウントしました。スリラー、ホラー的演出の連べ打ち、手際のいいおもてなしを受けました。しかも、ラストにはただのスリラーで終わらないと言う意思が見えてきたのが良かった。しかしあの爺さん悪趣味だなあ。

 

・意外とこの一件が遣る瀬無いタレントとメディアの戦争の一つの転換点になるかも。

 

1月22日  

・『下克上受験』第2話まで見たところでギブアップ。とことん言っていることが合わない。あと普通に見せ方として、あの子供が現時点で何ができて何ができないのか、が全くわからない。例えば覚えることには長けているけど計算は苦手とか。だからこれから何を頑張っていくのか、ひたすら問題集をやっていくだけなのか。実際にそれは力になるとは思うけどドラマの見せ方としてはつまらないよね。あと、塾を悪者として描くのはダサい。それ全部ひっくるめて弱者を「中卒」と言う枠に収めているは結構腹がたつ。

 

・『べっぴんさん』の新シーズンに登場した新入社員。森優作さんがとてもいい。あの中にいてなにか他の誰とも違う異様さが伝わる。あの『野火』の狂気の演技から朝ドラにフックアップされるなんて!

 

・久々の『クイズ!スター名鑑』やっぱりめちゃくちゃ面白い。このスタッフたちが井脇ノブ子が信じられないくらい怒ったところを放送しなかったところにガチを感じる。本当に怒ったんだろうなあ。

 

 

耳をすませば - 『カルテット/第1話』

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なんたる瑞々しさだろう。一年前の「いつ恋」とも違う。男女4人という点で共通する「最高の離婚」ともまた違う。圧倒的な会話の面白さ、とびきりキャッチーなのにどこか不穏で何かイビツ。例えば「最高の離婚」の会話劇がメラメラ燃える赤い炎だとしたら、「カルテット」におけるそれはユラユラ揺れる青い炎のような。はー!みぞみぞしてきた!

 

まずタイトルバックまでの冒頭の約15分まででかなり濃密。巻真紀の登場シーンの赤いキャリーバックの存在感はなんだろう。モノトーンで抑えた衣装でまとめているのに、あの赤が挿されると何か強烈に違和感を覚える。「旦那さん」ではなく「夫さん」と口を揃えて呼ぶ二人。なんだこの違和感は。小鴨が排水口に落ちる動画?なぜ?と坂元裕二的フックがめちゃめちゃ仕掛けられている。そして、「唐揚げにレモンをかけるのか、かけないのか」という会話を軸におおよそ4人がどういった人間性なのかを描いてみせる。このパートは台詞回しや掛け合いとして単純に楽しいし面白いのだけど、後に明かされる事実も踏まえても単なる"面白い会話"で済ませてしまうのはやっぱりつまらない。グッと熱量を抑えた、ある種の冷気をまとったような(軽井沢のロケーションもここで効いてくる)会話はやはりドーナツの外側でしかない。テンポのいい会話が弾み、転がっていけばいくほど、真ん中にある「穴」の存在が浮かび上がってくる。例えばあえて語られなかった誰かの過去であったり、言葉にできなかった気持ちがそうだ。人と人との隙間もそう。

人と人との間にある隙間を、これまでいくつも坂元裕二作品は描いてきたと思うのだけど今作もまた「同情」や「思いやり」総じて「他人を想像すること」を通してそれを描く。レモンをかける人とかけない人、画鋲を使う人と使えない人、夢を諦められない人と夢を捨てた人。でも、お互いを想像しあったって、同情したって私は別の誰かにはなれない。完全な理解なんてできない。

 

「じゃあ、別府さんと家森さんがベンジャミンさんの家で暮らしてあげればいいんじゃないですか?」

「ベンジャミンさんの奥さんと息子さんになってあげればいいんじゃないですか?」

「じゃあお金あげればいいじゃないですか」

「じゃあ面白い漫画とか貸してあげればいいじゃないですか」

「家森さんも鼻毛伸ばせばいいじゃないですか」

「鼻毛に見える刺青彫ればいいじゃないですか」

「刺青彫る勇気ないなら、同情やめたほうがいいです」

 

と、すずめが言うように。誰かの気持ちを完全に理解なんてできない。というかそもそもそれに意味はあるのだろうか?ということが突きつけられる。でも、それでもやっぱり誰かを想像することを、人と人との間を超えて手を取り合えることを諦めようとしていない姿を(不恰好だけど)描いてやろうという熱意がこのドラマからはひしひしと感じられてものすごく期待してしまう。「逃げ恥」で夫婦を超えて誰かと誰かが恋をし、繋がることを描いたその直後に、「夫婦とは別れられる家族だ」と言い切ってしまっているけれども、なんだろう。だってきっと耳をすませば、聞くことを諦めなければ、どこかの誰かとの間にある、小さな声がかすかに聞こえてくるはずなのだ。このドラマはそれを微塵も諦めちゃいないはず。