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神様の気まぐれなその御手に掬いあげられて

2022.11.10(鋼の偶像を撃ち砕く)

部屋にいてもどうにも考え事をしてしまって、録画をためているドラマも観れないし、ひたすら悶々としてしまう。寝たら高い確率で嫌な夢を見てしまう。夢の中の自分は物を書くことを仕事にようとしていて、そんなもんに未来はない。お前の書いてるものなんて大したことはない。と友達に強く言われていた。返す言葉なく迷っている自分に、夢の中の架空の恋人のような人は「諦めるくらいなら私別れてパパ活するから」という絶妙に嫌なことを言っていた。夢の中の自分は最後の最後までどうにも決断をつけられないままだった。それで起きた。おれの脳はどうかしてる。なんでこんな最悪な話作れるんだ。そんな具合なので今日は早々に部屋を飛び出た。

お昼に目黒のケラクスパイスカレーでカレーを食べた。キーマスープ出汁カレーとラムキーマサグカレーとシーフードカレー(サワラの切り身が入ってた!)の3種のあいがけを食べた。めちゃめちゃ美味しくてそれだけでかなり元気になった。

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時間もあったのでもう一度、今泉力哉の『窓辺にて』を見たいと思って品川の映画館まで歩いた。目黒の住宅街は馬鹿みたいにでかい家があって面白い。Tジョイ品川のまわりは入り組みすぎてて何が何だかわからなくて、喫茶店的なものを探してウロウロしてるうちにいい時間になってしまった。『窓辺にて』は2回見てかなり輪郭がくっきりしたような気がするけど、それでも言葉に出来ないことばかりだった。意識して見ると窓越しのシーンが多いのに気付いた。窓のこちら側とあちら側みたいな分け方が結構ある。映画のスクリーンだって窓みたいだよなあと思ったりした。

終わって恵比寿リキッドルームTHE NOVEMBERSのライブを観に行った。ライブを見るたびに世界一かっこいいバンドはTHE NOVEMBERSだと思う。これは主観抜きにそうだと思う。良いバンドはいっぱいいても、かっこいいバンドは彼らだと強く思う。その日はオールタイムベスト的なセットリストだったのもあって、最後のフロントマンの小林さんのMCで「このバンドは友達から始まったバンドで、自分の青春のような存在で、上手くいかない時も、楽しい時もあったけど、終わらないバンドだと思っていた」という大意のことを話していて、強烈に嫌な予感が走った。バンドの解散ライブはチャットモンチーで経験しているけれど、解散や活動休止を発表する場に居合わせた経験はない。そんなことを告げられるような気がして心臓が冷たくなっていくのを感じた。結果的に言葉は「振り返ってみれば、過去の自分たちはずっとその時にかっこいいと思える曲をやっていて、今日もそうだった。終わらないバンドじゃなくて、続いていくバンドとして、世界一かっこいいバンドでいたい」と続いたので自分の予感は杞憂に終わった。でも、こういう瞬間がいつか来るんだということを強く思った。決して売れなくてもいいからいつまでも続けてほしいなんてのは、傲慢で独り善がりの願望だ。自分はバンドが15年経った今でもめちゃくちゃ売れてほしいと思うし、1000人キャパのライブハウスじゃなくて、アリーナやもっと言えばドームで彼らのライブが観たいと、観れなきゃおかしいとずっと思ってる。

帰り道、駅のホームにピザの入ったでかい箱に横向きのスマホを乗せてドラマを見ている人がいた。

 

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