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神様の気まぐれなその御手に掬いあげられて

2022.11.01(星を見上げないでコンビニの前で)

朝、鍋の残りでうどんを作って食べた。録画した渡辺あや『エルピス-希望、あるいは災い-』の第2話を見た。後半、特にラスト10分食い入るように見た。このドラマが寓話ではなく現実の世界の話であるということを見たことのない形で見せつけられた。これがフジテレビのドラマとして放送されていることも凄いというかちょっと異様にも感じる。渡辺あやの脚本が凄いことなんてのは言うまでもないけど、もう少しこの気持ちを因数分解したいと思いながら全然できていなかった。少し思ったのは、個人の問題と社会の問題を同じ筆圧で描ける凄さかもしれないと思った。後者が強いと少し胸焼けしてしまうし、かといって前者のことばかりだとぼやけてしまう。今回でいえば"冤罪"という事象が"悪くないのに悪いと思わされている"という生活の中のそこかしこに落ちていることに接続されているような気がする。自分だってそれを受け入れている時がある気がする。例えば性別や年齢で属性を押し付けられるとき。例えば慣習を強制されるのを拒もうとするとき。それは少し我慢すれば流されていくけど、コップの淵の汚れみたいにたまっていく。そういうミクロな部分と、マクロな"死刑囚の冤罪"の根っこはもしかしたら一緒かもしれなくて、小さなところから、ではなくて大きなところも、で描いていくのが他にはない魅力だと思った。プロデューサーの佐野亜裕美さんとの対談記事もとても良かった。人が作ってるんだなぁと思わされる。坂元裕二渡辺あやの両方に怒られる佐野さん、とても稀有な存在だと思う。

 

隙間を見つけてM-1の3回戦の動画をひたすら見ている。どれも面白くて凄い。大量の東京予選の動画が公開されたらと思うと恐ろしくて震える。とても追いつける気がしない。今のところ好きなのはチェリー大作戦、ツードライブ、ヘンダーソン、ハイツ友の会、三遊間、デルマパンゲなどなど。とくにハイツ友の会と三遊間のセットはもう何回も見ちゃってる。無理な京都弁使いたくなる。

東京の結果も出て、めちゃくちゃ落ちてるコンビもいるけど、個人的に絶対決勝に行ってほしいコンビは軒並み通ってて良かった。今は本当にママタルトの気分なんです。連続していろんなコンビの漫才を見てるとトレンドらしきものが見えてきて、ママタルトの檜原さん的なツッコミが結構多い気がする。あとはネタのとっかかりがディベートとか論破なのも多い。

 

コンビニで売ってるチョコパイのアイスは信じられないくらい美味しいので売ってるうちに絶対食べたほうがいいやつです。家に帰ったらマイク・ミルズ『C'mon C'mon』のBlu-rayが届いていて嬉しくなった。絶対手元に置いておきたいもの。劇場ではどこに行っても売り切れていて買えなかったパンフレットもついていてめちゃくちゃ良い。前の職場の先輩からここ最近夜になるとやたら電話がかかってきて、出るとちょっと酔った状態で愚痴をこぼされる。こっちが調子いいときはいいけど、そうでもない時は付き合うのもなかなか辛くて、今日も2回着信をスルーしてしまった。自分も大概ひどいやつだなと思って次のタイミングで出て少し話した。誰だって誰かにがんばってるねって言われたいよな。おれだってそう。

 

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