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神様の気まぐれなその御手に掬いあげられて

2022.08.23(餃子を包むということ)

朝起きて、やっぱりどうしようもなく眠かった。ご飯を食べて家を出た。暑さのピークもようやく過ぎましたねぇ。なんて会社で話したつもりが、ジリジリと陽は照っているし、皮膚からは汗はだばだば出てくるし、部屋を出たところに蝉は寝転がっている。夏の最後の踏ん張りの中にいる。今日も比較的穏やかな気持ちで会社にいる時間を過ごした。あまり関わりのない部署の人でやたら声が大きくて、よく部下を叱責している人がいる。やだなぁとずっと思っていて、数日前にとあることがきっかけで話したのだけど信じられないくらい良い人で、よくわかんないなと思った。そして決まって自分はそういう、この人苦手だなとかちょっと嫌だなって人にめちゃくちゃ下手に出てしまう。それも嫌だな。

絶対当たんないだろと思って応募していたキングオブコント準決勝のチケットが当たっていた。嬉しい。見届けてきます。自分はニッポンの社長の優勝が見たいです。

帰ってからご飯を食べて坂元裕二『初恋の悪魔』の5話と6話を見た。鈴ちゃん、ことりんという呼び名はいつ生まれたのか、自分が何か見逃していたのか、それとも意図的に何か抜け落ちているドラマの構造なのか、掴みきれない。カラオケのシーン、とても良かったけど曲がCHE.R.RYなのとその文法が完全に『夜空は最高密度の青色だ』と完全に一致していて乗り切れなかった。満島ひかりが登場してる瞬間はドラマ全体に魔法がかかったみたいに良かった。夜のシーンの色味がとても良くて風の質感や空気の温度まで画面を通して伝わってきた。餃子のシーンがあった。近年の坂元裕二のドラマには良く登場する。個人的な見方にはなるけれど、人が思いがけず心の内に持っていた想いを外に出すことと、皮の中に餡を包むという相反する動作が同時に起きているから、聞いていることと見ていることがちぐはぐで、だからこそとても魅力的に感じる。気がする。実感として、餃子を包んでいる時は40%くらいは包むことに集中しているので、ぼそっと何かを溢せる感じがする。餃子は美味しいし、餡を作るのも楽しいいし、包むのも楽しい。だから良い。ドラマを見る筋力をめっきり失っていて、今期はこれしか見ていない。

 

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田島列島の新作『みちかとまり』の連載も始まった。穏やかな空気が突然歪む瞬間が良い。カラッとしてるのに土着的なニュアンスなのも良いです。

一週間が長い。まだ火曜日。いつまで書き続けられるかな。