anomeno

神様の気まぐれなその御手に掬いあげられて

2022.04.01(本を作ろうとした、4日目)

4月になり雨音で目を覚ます。思うようにいかない仕事をしに身体を起こして部屋を出る。遠くに晴れ間が見えるけど顔に雨が当たる。濡れないようにと傘を忘れずに持つ。途切れてしまう人との関係のことについてここ数日かなりもやもやしながら過ごしていて、本のことは正直すっかり忘れていた。関係ないけどブログも書いてなかった。友達からこういう感じで描いてるんだけど、と数枚イラストを見せてもらった。とても良かった。そんな感じで素材は揃ってきているのに形にすることにかなり足踏みをしている。考えているふりをしながら何も考えていない。ベストな形を思いつくのをずーっと待ちながら、その実何も考えていない。でも時間は確かに経っていて、書かれてある文字と自分にも乖離が生まれているような気がしている。はやく形にしたい。そう思いながらもまた忘れて夜になり朝が来る。

雨に当たらないために持ってきた傘は、4月らしい柔らかい陽光の下では荷物以外の何にもならずに、邪魔だなあと思うばかり。一週間ほど前、出先で大雨に出くわして無印で傘を買ったのに、帰り道に電車にそのまま置き忘れて本当に自分が嫌になった。なんでいつもこうなのか。そんなことを考えていたか、考えていなかったか、家に帰って仕事をしようと帰路に着く途中の昼下がり。骨が折れてばらばらになったビニール傘が道に落ちているのが視界の隅に入った。何気なく通り過ぎたけど、なぜかそのことが忘れられなくて道を引き返した。いつだって傘を忘れてしまう自分と、ちゃんと持ってきたけど折れてしまった誰かの傘。これしかない。と思った。夏までには形にしようと思う本の表紙はこれにしよう。

f:id:moire_xxx:20220401222440j:image