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神様の気まぐれなその御手に掬いあげられて

2022.01.10(100年後)

年が明けて連休も終わり、何をしてたかというとまじでスパイダーマンを見ていたという記憶しかない。4日から仕事始めなんて正気の沙汰じゃないと思いながら完全に死んだ顔で職場に向かった。かと思えば大雪が降ったりした。外に出ると新潟とそう変わらないくらい大粒の雪が降って地面に積もっていた。同じタイミングで外に出た、知らない人と思わず「やーばいですね」と言ってちょっと話した。帰り道の電車は案の定混んでいた。次の日の朝は嘘みたいに晴れていて、ツルッツルに凍った道をスニーカーで歩いた。自分の家の周りは坂が多いので下るときはそろそろと歩いたけど、一回滑ったが最後テレビでよく見るローションピラミッドよろしく、ツーっと滑った。坂の下におばあちゃんがいてこっちに向かって何か言っていたけどイヤホンしてて聞こえなかったのでヘラヘラしながら通り過ぎた。夜にはほとんど溶けていて本当に嘘みたいだと思った。

そんな日々の中で先週末に公開された「スパイダーマン:No Way Home」のためにサム・ライミ版、マーク・ウェブ版、ジョン・ワッツ版を死ぬ気で見返していた。普段は部屋で滅多に映画なんて見れないのに、スマホも手元から遠くに離して集中して見た。これ、年末のPOPLIFEでも宇野さんが話してたけど(これだけ見るべき作品が配信されてる以上、あとは受け手の問題というか強制的に見る習慣を作るとかしないと膨大な作品に触れることができない、みたいな話)まじで、これが今年の自分の一つの目標というか意識すべきことだと思った。やっぱり自分はどんな映画も映画館で観てこそ、と思うけれどそれを言い訳に見れないままの作品も昨年沢山あったので、言い訳する前に自分で見る体制を整える意識は必要だと思った。肝心のスパイダーマンに関しては、ここに書くのも野暮なので普通に何とかして話しましょう。あれは誰かと話したくなる映画だと思う。

他には年末年始、何してたかな。テレビはそんなに観てなかったかも。色んな意味で印象に残ってるのは、クイズ!正解は一年後、ドキュメント72時間スペシャル、紅白歌合戦の演出、あたらしいテレビ、座王新春SPとか?全然観てないな。帰省はしたものの友達ともそんなに会えず、家族や両親とよく話していた気がする。2歳になる甥っ子は自分(me)の名前を言えるようになっていて呼ばれるたびに嬉しかった。半日くらい一緒にいて抱っこできるくらいに仲良くなったのに、おもちゃで遊んでいるときに自分がふざけて置いてあるおもちゃをすごい勢いでとるみたいなボケをしたらびっくりされて泣かしてしまった。まだ保育園にも通っていない甥っ子はそういうことをされることに対してまったく免疫がないらしい。おれもへこんだ。ちょっと経ったら泣き止んで忘れてくれたので良かった。

今年はどんな年になるだろう、とかまったく思わないままぬるっと新しい年が始まる。別に今年に限った話じゃないけど。目標や抱負を大々的に立てるのもなんだかな、とは思いつつも年末に本を作りたい、と宣言したのは変わらずある。というよりもちゃんと自己表現をしていくというのが正しい形かもしれない。あとは意識の問題として「100年後のことを考える」というのが大事な気がした。きっかけはこれまたPOP LIFEのスピルバーグ回で木津毅さんが「リンカーン」を評する際に話していた、「今を良くするためよりも100年後の理想のために今何をするか?」が大事なんじゃないか?ということ。しみじみ、そうだよなと思った。本当になんだってそうで、差別にNOと言ってみることだったり、選挙で票を投じることだったり、いや別にそんなに大それたことじゃなくてもいい。ビニール袋いるかいらないかだったらいらないを選ぶとかでもいい。これは人を傷つける可能性があるかもと思ってTweetを削除することでもいい。それが100年後、自分のいない世界をちょっとでも良くするなら今すぐ何かが起こらなくてもやるべきだと思った。現実味のないことを言っているようだけど、甥っ子を抱いた腕の中にある感触こそが確かな現実味だと自分は胸を張って言える。

年が明けて、いきなり10日ほどなーんにも書かずにここまできたけど、やっぱり誰かに読んでもらえているという実感はとても嬉しいと改めて気付いたので今年も気負わずに感じたことを書いていきたい。