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神様の気まぐれなその御手に掬いあげられて

2021.10.02(キングオブコント最高だったよ)

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キングオブコント2021、むちゃくちゃ最高の大会でしたね。KOCのときはピザ、M-1のときはお寿司って決めてるのでドミノピザをお持ち帰りして食べながら見た。クォーターのテリヤキマヨが入ってるやつ。太る味しかしない。(おいしい)

いやぁ、本当に最高でしたね。大好きだった空気階段が優勝したこととか、それ以外にも全組本当に面白かったこととか、審査がとても良かったこととかあげたらキリがないけれど、何より「コント」の魅力がドシッと中心にあってそれが何より輝く3時間だったっていうのが本当に良かった。奇しくもそれが例年のKOCでは見えなかったような気がしていたから尚更そんな風に感じたような気がします。

舞台設定があってロールがあって、その世界を生きている人を切り取るということが自分の中でのコントの定義だと思ってる。特に"世界を生きている人を切り取る"という部分こそがコントの最たる魅力であって、どんなに漫才がコント化してもコントにはなりえないという事実だとも思う。

つまらない言語化をするとしたら、生きている人を演じた瞬間に生じる不和や違和感、そこに"おかしみ"が立ち上がるときこそコントが輝く瞬間なんだと思う。例えば、通りを歩いていて普段接触することのない人たちが接触した時にそれは起きたりする。

蛙亭のコントにおける、ヌルヌルは嫌だけどしかしそれでも生まれてきたそれを愛してしまうという感情。うるとらブギーズのコントにおける、見たこともない定菱くんを頭の中に思い浮かべてどうしても笑ってしまうという想像。男性ブランコのコントにおける、この世のどこかにいる誰かに出会えるという奇跡に対する想い。ニッポンの社長のコントにおける、善意が狂気に化ける瞬間。ザ・マミィのコントにおける、見えない自分の「こころ」の実感。空気階段のコントにおける、職業や性癖では語りきれない人間の多面性。全組面白かったけれど、自分が特に好きだと感じたコントには確かにコントにしか描くことのできない、それこそ言語化してしまったら淡く溶けてしまうような煌めきで溢れていた。

ジェラードンはもちろん面白いと思うし好きだけど、今回のコントはやっぱり好きにはなれなかった。ほぼ同じ設定で、見た目が西本そのままのかみちぃの義理の妹というコントを去年の予選で見た時もやっぱり面白いと思えなかったのだけど、それがそのまま来てしまった。何故なのか考えてみる。見た目のチグハグさをおもしろに変換するのは別にいいと思うんです。それだけの説得力が西本の演技と造形にはあると思うから。そこに海野がツッコミを入れるっていう構造に、なんで?ってクエスチョンマークがどうしても先に出てしまって笑いに辿り着かない。それって結局「見た目がおかしい」ってことだけにツッコんでるだけな訳で、全員の人物としての奥行きが一気に損なわれちゃう気がするんですよね。自分の気にしすぎなだけかもしれないけど。これは色んな人の意見を聞いて話してみたいです。

ニューヨークとマヂカルラブリーの賞レース常連組もめちゃくちゃ面白かったし、きっとこの2組は例年の審査だったら上位に上がっていたような気もする。でもそうならなかったのが、コントとして何を見るのかの審査の角度が一気に増えたからってだけだと思う。ちっちゃいモンブランが出てくるのとか、村上の「なんか眠いし」とか普通にめっちゃ面白いもんね。

 

自分は今年のキングオブコントの裏テーマとして、見えない「こころ」のようなものをコントでどう描くかみたいな補助線を引くと面白いと思ったけど、元来コントってそういうものでしょ。ってここまで書いてて思ってきた。だとしたら、その姿勢をブらさずにコントを作ってきた空気階段が史上稀に見るハイレベルな今大会を制したのは必然のようにも思えてくる。彼らのコントはどれをとっても人間の根底にある足りなさを多面的に切り取ってきたコントだったから。それは自分に限らず、踊り場をずっと聴き続けたり、単独公演を見てきたファンにとってはどれだけ贔屓目に見ても、ほらね!やっぱり!と思わずにはいられない。ほんとめでたいね。魅力的な2人だし、きっとこの先もっともっと売れていくと思うのでラジオクラウドというアプリで「空気階段の踊り場」が(ほぼ)全部聞けるということと、その中でも自分が何度も聞き返しているおすすめの会一覧を以下に載せておきますね。

 

(追記)

自分は中学校の合唱コンクールで「春に」の指揮をしたことがあって、とても思い入れの強い曲なので「この気持ちはなんだろう」が出てきて超泣いちゃいました。

 

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