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神様の気まぐれなその御手に掬いあげられて

2021.08.10(自動レジから吐き出されるレシートは誰にも触れられないこともある)

昨夜、家から水分がなくなりそうだったので念のためコンビニに歩いて行った。髪もボサボサだったので黒のバケットハットをかぶって、黒のTシャツ、黒のジャージに白マスクという職質スタイルで部屋を出た。風が少し強くて気持ちよかった。車一台通らず、人っ子一人いないこの世の終わりみたいだった。コンビニだけが煌々と光を放っていて眼鏡の店員の男性が自動レジからおつりをだして会計を済ませてくれた。ペットボトルに入った水を持って部屋に帰って寝た。

朝起きたらすこぶる快調な感じがすぐにわかった。熱も下がっていて身体も軽い。7時ごろ目が覚めてよし!と映画のチケットを取って準備をして部屋を出た。バスに乗って近くの映画館に行った。松本壮史『サマーフィルムにのって』を見た。やっぱり良かった。一年前に見た時よりも現実は地獄だけどだからこそより未来に対する、映画に対する希望みたいなものを感じた。未来とか希望とか紋切り型の陳腐な言葉みたいだけど素直にそう思えてしまうくらいにはやっぱり好きだった。ラストシーンは何度だって書き直せるしやり直せる。あと、自分はやっぱりビート板(河合優美さん!)の視線がこの映画の中で特別でとても好きなんだなあと改めて思った。ところで映画の上映前にNetflixの広告が流れていて、けっこう本気で嫌な気持ちになった。たしかラジオで流れてきたver.にも不快感を持った気がする。"退屈は罪だ"のキャッチにリアルな犯罪を被せてる浅はかさにも嫌気がさすし、何より普通につまらないからやめてほしい。キャッチコピーの鮮やかなブーメランを決めてる場合か。自分はちゃんと月イチでお金を落としてる人なのでそんなつまらない広告にお金を使うくらいなら、沢山ある優れたオリジナルコンテンツの解説やPRとかにお金を使って欲しい。本気で。本屋さんに行ってレベッカ・ソルニットの『わたしたちが沈黙させられるいくつかの問い』を買った。ようやく見つけた。多分自分が今一番学ばなければいけないことの本だと思った。近くに住んでいる友達にせっかくだからお昼でもどう?と誘ってご飯を食べた。焼肉なんか食べちゃった。コーヒーを飲みながら最近のあれこれとか漫画の話とかと話した。今週のジャンプに掲載されてたBLEACHの読み切りがあまりにもBLEACHすぎて年甲斐もなく興奮してしまった。こういう導入の段階のBLEACHはまじで一番面白い。進めば進むほど多分味がしなくなることも十分知ってるけどそれでも良い。ちゃんとキャラが歳をとっている感じがしたのも良かった。友達と別れて帰りながらPodcastで「SaToAのなんちゃらラジオ』を聞いた。会話の雰囲気がすごく良い。居酒屋の隣のテーブルを盗み聞いてる感じ。イヤホンと充電ようのポッドの接触が悪くて片耳だけまったく充電されておらず片耳が死んだ状態で聞いてた。帰ってきて昨夜録画した『AUN』を見た。真空ジェシカvsAマッソの夢の対決にめちゃくちゃ興奮したし本気で全部面白かった。全組が全組とも違うらしさが出てたのが良い。蛙亭・中野さんの演歌タイトルも良かったけど個人的に一番好きだったのは「橋本真也ちゃんの24/1フィギュア」でした。川北さんがたまに使う24/1というバカでか表現が好きです。洗濯機を回しながらNetflix黒沢清の『回路』を見た。どうかしてるタイミング。むっちゃくちゃ怖かった。描写の恐怖よりも圧倒的に空間の恐怖。加藤晴彦の「図書館なんて全然来ないから…出方わかんなくなっちゃって…」と言って入ってきたはずの図書館の出口がわからなくて右往左往するシーンが一番怖かった。ところであの時代の加藤晴彦にどことなくシャムキャッツの夏目さんみを感じるのは私だけでしょうか。終盤にかけてようやく、あぁ!『散歩する侵略者』でやりたかったのってこれだったのかぁ!と納得した。幽霊のことを考えたりもした。暗くなってきたのでうどんにトマトと大葉を切ってツナをかけてめんつゆをぶっかけたやつを食べた。