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神様の気まぐれなその御手に掬いあげられて

2021.08.01(それは鏡ではなく窓でした)

8月。起きたけど眠い。ご飯を食べながら孤独のグルメを4話分一気見した。隣のテーブルにホウボウの餡掛けが来て身を乗り出して見る井之頭五郎に声を出して笑ってしまった。お昼前に家を出て、会うのが2度目の人に会いに行った。「A子さんの恋人」がお互いに好きなので谷根千でも巡りませんか、という話になったので根津駅に行った。歩いてカヤバ珈琲に行った。やっぱり人気でどんどん人が来た。予約しておいて良かった。嫌いな映画の話をしたり、どんな学生時代だったかの話をした。たまごサンドがめちゃくちゃ美味しかった。8月デビューの強い陽射しが降る中を歩いて谷中霊園を抜けた。途中、ラジオ体操禁止の看板を見つけた。体操する男の子のイラストに大きなバツが書かれていた。I子ちゃんがないてたとこだねぇと言いながら夕焼けだんだんを下って谷中銀座の商店街を歩いた。ひみつ堂の前はビッグサンダーマウンテンくらい人が並んでいた。みんな冷静になりな!とそこそこ大きい声で言いそうになった。冷たいものを食べるために暑い思いをして並ぶなんて、みたいな元も子もない捻くれたことを呟きながらかき氷屋さんになって一儲けする人生もありかも、とか話しながら別の喫茶店を探した。別のお店にもかき氷の看板が出ていて2100円と値段がついていて、こんなん海鮮丼じゃん!と思った。そこも2組待ちみたいな感じだったので、えらく空いていた多国籍カフェみたいなお店に入った。聴いているラジオの話題になって、その人からいろんなラジオでよく聞くハガキ職人の人と同級生なんだよね。という話を聞いた。本当によく聞く名前だったのでめちゃくちゃ驚いた。その人が一番好きなラジオが真空ジェシカのラジオ父ちゃんと言っていたのもめちゃくちゃ驚いた。「A子さんの恋人」のなかでA子が書いていた「部屋の少女」という漫画のことを思い出した。長いこと同じ部屋にいる瓜二つの少年と少女。まるで自分のような相手に違和感を感じながら、鏡の底に落ちていく相手を見つめるという話。(書き換えられていくこの話の結末はA子さんの恋人を読もう!)自分もたまによくわからなくなる。好きなものが似ている人に感じるのは相手に対する好意なのか、それとも相手を通して感じている自分への肯定の気持ちなのか。あまりにも自分に似ているひとに出会ったとき、もしかしたら自分は自分と似ている人を見つけて安心したいだけなんじゃないかと考えてしまって少し不安になる。いや、でもそんなことある訳なくて目の前にいる人は絶対に自分とは違う他者だよなあと言い聞かせてみた。自分と違うところを知りたいなあと思った。「ほぼうちの本棚じゃん」と絹ちゃんが言った麦の家の本棚が2人で暮らし始めたときに2人の空間を隔てる壁に変わっていったことを思い出した。カツカレーはジャニーズで言ったらタキ翼だよね、とかよくわからない話をした。陽も落ちて涼しくなってきた夕焼けだんだんを今度は上って日暮里駅に戻ってホームで別れた。帰り道に薬局で経口補水液を買った。なんでか分からないけどTSUTAYAで「GHOST WORLD」と「スーパー!」と「星の子」のDVDをレンタルした。帰ったら猛烈に眠くなったのでちょっと寝た。洗濯してご飯を食べた。