anomeno

神様の気まぐれなその御手に掬いあげられて

2019.08.07

サウナデー。個人的にサウナは何分と時間を決めたくなくなったので、「もう無理!」と思ってからもう1分というサイクルが出来上がっている。水風呂は脳が揺れ始めたら上がる。今日はちょっと頑張って「もう無理!」と思ってから2分に伸ばしてみたらもう大変。1セット目からもうきまりまくり。座りながら壁にもたれかかった頭を揺らしてたら視界がぐにゃりと歪む。3セット目は露天風呂の奥の板の間で大の字になるという技をきめた。(同期との間でこれを全裸大の字と呼んでいる。雨の日にこれをやることを全裸雨と呼んでいる。)地球のコアに引き寄せられるように床に身体がひっつく。全身がこれ以上ないくらい脱力してるのだ。脈打つ心臓が猛スピードで全身に血液を運んでいくのがわかる。頭の中はぐるぐる回って天井と床はいつしか逆になり、そんな景色の中で風鈴の音が響く。目を閉じると光の雫が閃光のように迸る。今まで一番のととのいだ。10分ほど経つと身体の奥からじんわりと温かさが戻ってくる。遠のいていた意識が戻ってきて夏休みの中高生の話し声が聞こえてくる。サウナはなぜストレス解消に効くのか。サ道の2巻にその問いの答えが記されていた。人の悩みは未来を考えることにより生まれる。明日の仕事をどうしよう、とか10年後の自分の暮らしは、とか。でもサウナにいる間は、「熱い!」「冷たい!」「気持ちいい!」とかまさに今この瞬間の感覚に全身が集中している。あれをやらなきゃいけない、なんでこれができないんだというような「思考」で埋め尽くされた日常に、ほんの束の間「感覚」だけの世界が訪れる。だから人はサウナに通うのだろう。