anomeno

神様の気まぐれなその御手に掬いあげられて

ささやかでもそれぞれに暮らしなのねと -2018.12.08-

ãå­ä¾ã¯ããã£ã¦ãããªããã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

 

画像に特に意味はありません。思いつき。「子供はわかってあげない」です。

師も走りますよね。走りまくり。光陰も矢の如し。如しまくり。ちょっと前に書いた29歳と19歳との共同生活についての記事が意外と好評だったのに驚いた。気合い入れた文より思いつきで力抜いて書いた文のほうがいいのかもしれない。何だかんだで未だに続いているふたりとの共同生活も面白いことたくさんなのですが、ちょっと別のこと。いかんせん平日に世と断絶されたところにいると人間バランスをとろうとするもので、休日には人がたくさんいるところに行きたいと思うわけです。ライブとか映画とかの目的を持った外出ならいいけども特にあてもなくぶらぶらすることもしばしば。そのなかで見つけた最高な場所が純喫茶店。インスタントのコーヒーチェーンで列に並び、空いているかどうかもわからない席を右往左往するくらいなら、と思って飛び込んだら最高じゃないですか。ちょっと初見では入りにくいくらいの渋いところがベスト。何がいいって、コーヒーのおいしさ、とか言いたいところだけどそんなに優れた舌をもってるわけじゃないからそれは特に言えず。そう、何が良いって誰かの会話が聞こえること。それはチェーンも一緒でしょ?って?いやいや、その会話の濃い率の高さよ。挽きたての豆が如く。いやいや、別に濃くはなくてもなんてことないその人の暮らしが見えてくる会話や光景が好き。趣味が人間観察なんて、グラビアアイドルみたいなことも言いたくないけど、満員の電車や人ごみを煩わしいものと片付けるのもなんだかもったいない気がする。ということで印象に残ってるものを喫茶店に限らずいくつか。

 

  • 渋谷の喫茶店。おそらく社会人一年目の男の子たち3人。それぞれの会社の残業時間の多さを報告し合う。一人は雑用ばかり任され猿みたいな扱いを受けているらしい。猿も働くわ。一人が「俺の同期は株が趣味らしい。株ってパチンコと何が違うん?って聞いたら死ぬほど軽蔑された。」と話す。言いたいことはわからないでもない。話の結論は「あいつらは酒もタバコもパチンコもやらないからだめだ。」で締めくくられた。

 

  • 柏の喫茶店。一人、本を読む女の子。店員が寄ってきて「お母さんもう少しでシフト終わるから。ちょっと待ってて。」と声をかける。女の子が「白玉ぜんざい」と言う。「冷たいの?あったかいの?」「冷たいの」「寒いのに冷たいのなんだ。ちょっと待ってて。」白玉ぜんざいを食べた後、二人で夕ご飯は何を食べるんだろうとなんとなく思った。あと、あったかい白玉ぜんざいって良いなと思った。

 

  • 渋谷、道玄坂。道端で現金を片手に言い合う男女。多分女の人から長らく借りてたお金を返していたところ。男がビンタされる。めちゃくちゃ気になって話聞きたかったけど流石に近くで止まれなかったので通り過ぎた。人がビンタされるところを近くで見たの初めてかも。

 

  • 笹塚のサウナ。男二人。指をあげるゲーム(指スマ、いっせーのーせ、のやつ)の後に五十音のあ行を言って、上がってる指の本数分の頭文字でお題にあったことを言う特殊な遊びをしていた。どっかで流行ってるのかな。例えば、「都内の駅名」がお題なら、指が2本上がって「カ行」が指定された場合は2番目の「き」だから「錦糸町」と答えるみたいな。その二人がやってたのが「いそうな風俗嬢の名前」「今日食べたいもの」「性格悪そうなやつの苗字」と、もう大喜利やんと言いたくなるようなお題で、ゲーム性よりそっちが気になった。

 

  • 上野のすしざんまい。いかつめのお兄二人。夜にキャバ嬢とこぎつけたデートがあるらしい。新大久保で良い店ある?ともう一人に聞く。レモンサワーと中とろ食べてて、チョイス流石かよと思った。

 

  • 深夜のコンビニ。おでんを買った若いカップル。コンビニを出て横断歩道を渡り終わったところで走り出す彼女。走って少し離れたアパートの入り口に入り、彼氏に「早く!」と声をかける。彼氏はおでんがこぼれないように袋を持ちながら少し小走りで追いかける。おでんが早く食べたかったのかな。彼氏の走り方が良かった。

 

冷たい喧騒の中にも、当たり前にふっと人間っぽさが見える瞬間がある。街はそういう一つ一つの温度でできているんだと最近は思う。