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神様の気まぐれなその御手に掬いあげられて

「さようなら」って言えそうにないなぁ

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午後に急に出張を言い渡されて、群馬からひとりステップワゴンで外環を走り、駅まで汗だくで走り、到着したらライブ本編が終わってしまっていた情けない自分のことは置いておくとしよう。

 

彼女たちを想うとき、いつもギターを背負った少女の背中が浮かぶ。今も。恐らくガールズバンドという呼び名を嫌い、3人で音を鳴らし、そのうち1人が欠けても、鳴らす楽器が変わっても、それでも背中にギターを背負う少女が立っている。

 

アンコール、シャングリラと風吹けば恋を鳴らし終わって、ステージに2人だけになった彼女たちはそろそろとステージ前に2人並んで話し始めた。ああ。これだ。と思った。並んで座ってる。意味はわからないけどこれってめっちゃチャットモンチーじゃん、って思った。

 

会場からは2人に向かって話す声で溢れてた。そのなかでも、僕の涙腺を刺激して止まなかったのは、ある男性が言った「高校のとき、初めてバンドでチャットの曲やったよ!」で。

それに対してえっちゃんは「そうかぁ。それは素晴らしいことやな。またチャットの曲やってな。」と返してた。もうこのやりとりだけで眩しい。

 

その後、最後にやった曲はピアノと歌のみの「サラバ青春」

そりゃあ泣くわと。そんなことは予想できたのだけど、それでもあの曲中の会場の空気は少し異様だった。エモい、とかそんな言葉にはとてもとても収まりきらないような。誰もがあの日、例えば青春と呼ばれるときに掴めなかった何かを必死にいま掴もうとしてる、みたいな。何者でもなくて、何になるかもわからなくて、バンドがあって、友達がいて、好きな人がいて。そんな日々。でもそれは今けむりのようなもので、掴めなくて、するすると離れていってしまう。そんな気持ち。

特に胸を締め付けられたのは、このフレーズ

 

思い出なんていらないって

つっぱってみたけれど

いつだって過去には勝てやしない

あの頃が大好きで

思い出し笑いも大好きさ

 

真っ暗闇に僕ひとりぼっち

ピンク色の風も薄紫の香りも音楽室のピアノの上

 

大人になればお酒もぐいぐい飲めちゃうけれども

空は飛べなくなっちゃうの?

 

汗のにおいの染みついたグラウンドも

ロングトーンのラッパの音も

「さようなら」って言えそうにないなぁ

 

青春の焼き戻しなんてものに興味はない。いつまでもあの頃にしがみついて生きてたってつまらないと思う。

それでもいま。曲がりなりにも何かになった僕らは、あの何者でもなかった日々を少し振り返ったりして、自然と笑って、またいまをがんばってみようと思えるのなら、それは何にも代え難いことなのだと思う。

チャットモンチーがいつだって今を生きてきたバンドだったように。

 

Good Bye! Chatmonchy!!!!!!!!!!!

 

チャットモンチー - サラバ青春 LIVE [HD] - YouTube