anomeno

神様の気まぐれなその御手に掬いあげられて

慌ててアップした最近好きな映画と音楽

やばい!もう何ヶ月もブログを書いてない!と気づいた。2年連続で1月期の坂元裕二脚本ドラマについての感想記事を書いていたのだけど、今年の「anone」に関しては全く書けず。。。というかドラマに関してはほぼほぼ終えていない。むう。今期は頑張って追おうかと思って番組表をチェックするも、見るドラマ見るドラマ刑事ものばっかりすぎやしませんか!ひとまず朝ドラ「半分、青い」と「宮本から君へ」を見ていますがどっちも抜群に良い。

ということで最近見た映画と聞いた音楽で良かったものを。

 

映画

彼の見つめる先に/ダニエル・ヒペイロ

https://ttcg.jp/movie/images/c915552a034f95f05b55b66c8e0943f0f8e6d02b.jpg

2018年に語るべきすべてが詰まった映画だと思った。(製作はもう少し前だけど)
2010年代の総決算と言ってもいいくらい、あぁここまできたかぁ。と思わされた。

語弊を恐れず言うならば、障害も同性愛も、もうそこにクローズアップすることってそんなに重要じゃないと思う。
誰かとキスをしたいと思うのも、親の目を離れた何処かに行きたいと思うのも、あたりまえの感情。そう、あたりまえ。もうそこを同列に語ることはあたりまえなんだよ。
あたりまえの青春と恋がある。そんな映画超最高じゃないですか。巧さとかそういうのを超えた意義があると思う。

そして、本当にこれ以上ない希望に満ちたラストシーンが待っている。彼らの背中に、いつまでもこの景色が続くように、と祈りながら見つめていた。

でも、もしかしたら、わからないけど、そう遠くない日にレオとガブリエルにも別れの日は訪れるかもしれない。
でも、それでもレオにとってガブリエルがくれた日々は、何よりも確かな杖となってこの先のレオを支えていくのだろうな。

この先の日々の中で、There's too much loveを聞いた時に、レオは彼と手を繋いだことを、彼と踊ったことを、彼がくれたキスを思い出しながら生きていくんだと思ったら、たまらくなってエンドロールの途中で劇場を後にしてしまった。
でも、誰にも等しく恋ってそういうことなのだと思う。もうダメかもしれないと思ったときに、力をくれるようなものなのだ思う。それはたとえ、叶わなかったものだとしても、そうなのだと自分は思う。

この映画を巧さとかでは語りたくないのだけども、画作りがとても巧いのも事実。
ガブリエルが教室に入ってきた時、カメラはレオの耳にフォーカスする。レオが最初にガブリエルに意識を向けるのは耳なのだ。
レオがベッドの中で一人ガブリエルを想い、恋心に気づくのはガブリエルのパーカーの匂いを感じたとき。
人を恋に落としていくのは、もしかしたら視覚以外の感覚なのかもしれない。

映画全体を通して描かれる「手」もとても象徴的。壁を伝う手や、リズムを刻む手、消しゴムを渡す手。肌の触れ合いから伝わる感情がそこには確かにある。

カメラワークも巧い。帰り道や部屋に入るシーンの同画角の反復によって、そこにいる人の変化、感情の変化が浮かび上がる。または、レオと接する人物は、身体の全体が捉えられずにアップでどこか一部のみが映るシーンが多かった気がする。

は〜〜。あとは映画館のシーンが最高だったなぁ。あんなロマンティックなシーンないよ。本当に隅々まで最高で何度でも観たい。
文句なし、今のところ2018年ベストです。

 

 

ちはやふるー結びー/小泉徳宏

http://event-cast.net/agwp/wp-content/uploads/2018/01/20180124-00011623-cinranet-000-view-720x460.jpg

観ながら、あぁこの映画は間違いない。と確信した瞬間がある。

千早が部室の畳の上に横たわるシーン。使用禁止の貼り紙がされた扇風機、スケジュールの書かれた黒板、写真、畳のへこんだ跡が1ショットずつ連なっていく。
そこに言葉はなくとも、きっと観ている人たちは千早たちが積み上げてきた時間や、そこに今はいない太一を想うだろう。
映っているものから、そこにはないものを想像できることこそ、映画の強みの一つだと思う。いないことは、いること。

もう「上の句」「下の句」と見た人であればこの映画がただのマンガ原作映画の一つでないことは十分わかっていると思うのだけど、この「結び」は「一つの青春の終わり」とか、もっと根底にある「人生を自らで選ぶこと」みたいなテーマにまで踏み込んでいく。
そして、徹頭徹尾フォーカスされるのは「持たざるもの」である太一だった。
全人生を懸けたってこの先には繋がらないとしても、今しか懸けられないものがある。スラムダンク桜木花道における「俺の栄光時代は今なんだよ」的な。
後から思い返してみると、家庭や親が一切描かれなかったのもバランスとして正しいと思う。

新キャラも軒並み良かった。一人残らず好きになってしまう。
あと、撮影に関しても数少ない夜のシーンの色使いとか光の反射のさせ方とかハッとさせられる。千早と原田先生がラーメンを食べてるシーンと、周防名人を太一が追いかけるところ。

重箱の隅突くような不満を一つだけ言うなら、あまりに詩暢ちゃんにコメディ要素を担わせすぎなんじゃないかなぁ。もうすこし重みがあったら解説のところとか見え方が変わった気もする。

ちはやふるという物語はこれで一つの形として「結び」となるわけだけど、同時に物語の中では次の世代の誰かと、そして現実では見ている僕らと、新しい「結び」となって千年先にも繋がっていくのでしょうね。

 

 

ワンダー・ストラック/トッド・ヘインズ

https://static01.nyt.com/images/2017/10/29/arts/29DEAF-ACTORS/29DEAF-ACTORS-master768.jpg

トッドヘインズの映画という情報だけで、これは見なくてはと思い前知識0で挑んだので、最初は???だったのだけど2人がNYへと旅立つ瞬間から、これは猛烈に好きな映画だという確信を得た。
だって、まったく別の時代を生きる2人の少年少女が、此処ではない何処かを目指して旅に出るんですよ?
遠い昔に地球に落ちた隕石に触れて、時間を超えて2人が通じ合うところとか、そりゃあもう素晴らしいじゃないっすか!

終盤、ある形でNYの街に囚われ暗闇の中で立ちすくむ2人を救うのが何なのか。それこそ現代にも繋がる希望でため息が漏れてしまった。
モノクロ映画、サイレント映画という古典に敬意を払いつつ、脈々と繋がれる歴史やルーツの尊さを、他の誰でもない未来の子供達へに向けて描くその意義に感服した。
振り返ること、過去への目配せだけじゃなくて、あくまで未来へと繋いでいくことが大事なんだよね。
この映画を見て、映画の面白さや不思議さを感じる子供達が多くいることを願う。

 

音楽

Kawasaki Drift/BAD HOP

 

Rudolph/SaToA

 

 

'Til It's Over/Anderson.Paak

 

 

Psyco ft. Ty Dolla Sign/Post Malone

 

 

ASAP Forever ft. MobyASAP Rocky

 

 

Suicidal Season Dream/MGF