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神様の気まぐれなその御手に掬いあげられて

えいがのはなし その5

お久しぶりです。就職活動その他諸々でまとまった時間も取れず、『いつ恋』以来の更新になってしまいました。今クールは『ゆとりですがなにか』に超絶はまっております。

 

ということでその間に見た映画感想の抜粋です。

 

アイアムアヒーロー (2016)

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しっかり怖くて、ちゃんとグロい。まずそこから逃げなかった心意気が良い。話運びもスムーズでよかったので重箱の隅をつつくようなことしか言えないけど、「ZQNは過去に囚われてるんだ」とかの台詞は口に出して言ってほしくないなぁと思ったり、良くも悪くも有村架純は可愛すぎだろうと思ったり。ラストの名前を伝え合うというくだりはマッドマックスを彷彿とさせられてぐっときたけど、それならヤブの背景はもうちょっと描いてもよかったなぁとか。でもまぁ全部言いがかりみたいなもんです。ほんとにどこに出しても恥ずかしくないゾンビ映画だと思う。ただ!原作で象徴的に使われるあの曲はくるりの「カレーの歌」であるべきでしょう!!!!続編については、あったら喜んで見るけどなくても納得かなぁ。だってこれは一人の人間がヒーローになる物語なのだから。

 

 

■レヴェナント 蘇りし者 (2016)

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撮影、音楽、そして何よりディカプリオの演技はもう言わずもがな。ここにはどうやったって文句つけられないと思う。IMAXの迫力も凄かった。追う/追われるの構造がぐるぐる入れ替わる後半が特に凄かったので、あそこをもう少し長く見たかったな。追う/追われるに関連した話で、本当に今年の映画は「視点」の描き方が共通している気がする。観ているぼくらは追う側も追われる側も俯瞰できる、言うなれば神の視点で観られるわけで、それが映画的に楽しく、話に没入できるわけです。だからグラスにもフィッツジェラルドのどちらにも感情移入できる。ただ、そんな風に映画を観ているとラストに「はっ!」とすることが起きるわけですよ。僕はここでグッと「好き度」が上がりました。何が起きるのかはぜひ映画館で見てください。まさしく「神の手に委ねる」ということだと僕は受け取りました。

 

 

■ルーム (2016)

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めちゃくちゃ真摯な映画だと思う。こういう言い方は良くないかもしれないけどすごく感心した。特にラスト。当たり前かもしれないけど、こういう題材を扱う上で丁寧にやらなきゃいけないことがごく自然に出来ていたと思う。天窓から見える狭い空と、あの状況で初めて見ることになる広い空。なんだろう、このシーンに関しては感動とか、そんな範疇の言葉じゃ収まりきらなかった。予告見てなくて良かったな。世界って何だろうね。

 

 

ちはやふる 上の句 (2016)

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最高か!!もちろん突っ込みどころはあるしクサさもあるんだけど、そんなことどうだっていい!ラスト1時間の大会で某ヒーローの対決よりも熱くなれるんだから最高じゃん!!で、その熱さは若さとか勢いから来てるかっていうと決してそうじゃない。物語の中で、ごく自然に見ているぼくらにかるたにおける最も重要な「詩」の内容を染み込ませてるからでしょう。だから後半の流れにこんなにも感情移入できると思った。あとは、視点の入れ替えね。机くんの登山シーン然り、千早を見る太一然り、文字どおりその人の立場に立ってこそ、その人の感情がわかるんじゃないだろうか。下の句楽しみすぎる!!!

 

 

バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生 (2016)

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いやー、まぁなんかさ、ケンカしないで仲良くしようよ。あとさ、お互い間違ってたらごめんねってあやまろ?ジェシーアイゼンバーグは是非とも続投でお願いします。

 

 

■マジカル・ガール (2016)

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あえて見せない、語らないところがとても多くて想像力をフル回転させながら見るととても楽しい。一見意味のないシーンが終盤になってどすんと効いてくるところがとても多いのですが、特に序盤は目を凝らして見ることをおすすめします。正直、なんでこんな映画つくるんだろうって思うような話で、エンドロールが終わった途端ため息が出た。でも多分ずっと忘れないだろうな。あとこの映画のすべては「誰かの願いが叶うころ」に詰まっていると思う。みんなの願いは同時には叶わないのですね。

 

 

リリーのすべて (2016)

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キャロルと連続で見たため、どうしたって比べてみてしまう。「自分を偽らずに生きること」と「本当の自分になること」ってすごく似てるけど僅かに、でも決定的に違うことだと自分は思います。事実だから仕方のないことだとは思うのだけど、アイナーとリリーが別人格として描かれるとちょっと疑問も生まれたのが正直なところ。あとはやっぱりゲルダに感情移入してしまうため(そういう造りになってると思うけど)、あこまで清々しく終われるもんかな。劇場を出たあとも、ゲルダが最後に病室を出たあとにリリーが流した涙の意味についてひたすら考えていた。まだ納得のいく答えは出てない。

 

 

■キャロル (2016)

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語弊を恐れず言うなら、同性愛をあざとく描く映画って結構あると思う。でも2016年という時代に同性愛は別段珍しいものでもなくて、困難に苦しんでっていう話は(あくまで)映画としての面白味はないと思う。そんな中でこのキャロルの素晴らしいところは、そういう執拗な同性愛目配せを一切抜きにして純愛を描いているところだと思った。というよりも「自分を偽らずに生きる」ということがすべてだったからかな。そこに一切の迷いがない描き方が出来るのは今だからなのかもしれない。50年以上の時を超えてふたりの恋が繋がったんだと思うと、今の時代も悪いことばっかりじゃないね。文句なしの今年度暫定ベスト。

 

 

ヘイトフル・エイト (2016)

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シアター8で、席番号も意図せず8で、そして見逃さなかったぞ。劇場にいたのは自分含め8人だった!!!!!!!そんなに熱を入れてタランティーノ作品追ってたわけじゃないけど、最高だった。最初の音楽が流れてタイトルがドーンと出たところからずっとドキドキしてた。見ながら、あ、今ドキドキしてる。って思ったの久しぶりだった気がする。そしてブサ顏(全然思わないけどな!)のアイツが出てきたときはイェーイ!!って歓声上げそうになったぜ!!!無駄だけど過剰じゃない。意味はないけど冗長ではない。ただ罵倒しあう会話に愛を見出せる人なら大好きなはず!

 

 

■オデッセイ (2016)

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テンポの良い話の運び方も、説明臭くない演出も、気の利いたユーモアセンスも、ポップスに徹した音楽の使い方も、押し付けがましくない感動も、とても上品だった。さすがのリドリー・スコット。ほぼ同時期に公開されているスピルバーグの「ブリッジオブスパイ」、ゼメキスの「ザ・ウォーク」と並んで、この監督達にしか描けない奥深さと何より大作として成り立たせる普遍性に溢れた映画だったと思う。他者や外界との果てしない距離や孤独感はきっと火星じゃなくても、今私達が生きてるこの地球でだって感じることだと思う。誰も手を伸ばしてくれない冷たさとか孤独がいやに表立った最近の世の中だけど、損得抜きで多くの人が手を差し伸べてくれるようなそんな希望もあるってほんのちょっとでも思いたいじゃないですか。皮肉に聞こえるかもしれないけど、それって映画っていう作り物だからこそ描けることじゃないですか!NASAの人たちがマークに「がんばれ!生き抜け!」とかストレートに言わないところとかを見ると、やっぱり伝えたいことって私達の半径3m以内のことなんじゃないかなとも思う。もうこれはめちゃくちゃ良い映画であること前提での理不尽な意見なんですが、文句のつけどころなさすぎて逆に特別好きなところができなかったのも正直な気持ち。"良い"ところはたくさんあるけどね。

 

 

■ヴィジット (2015)

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いい!すごく好きだ!!!例に漏れず「シックスセンス」でシャマランにハマり「ハプニング」で幻滅した側の人間で、今作も予告の時点では香ばしい匂いしか感じなかったのですが蓋を開けてみれば大興奮。どんでん返しが凄いかっていうとそうじゃない。POV撮影がいいかって言うと特別凄いわけじゃない。恐怖に対して、過去に対して、彼と彼女がどう立ち向かい克服していくのか。その描き方が完璧だったと思う。襲われて、怖がって、なんか知らないけど助かった、よかったね。なんてホラーやスリラーじゃ得られないような感覚がこの映画にはある。それでもう勝利。エンドロールのフリースタイルも最高。