読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

anomeno

神様の気まぐれなその御手に掬いあげられて

正しさは何処にある - 『STAR WARS エピソード7/フォースの覚醒』

f:id:moire_xxx:20151219145822p:plain

12月18日金曜日、18時過ぎ。地方の片田舎のシネコンの入り口から溢れるほどの行列。どうやら限定パンフレットの購入列らしい。一番大きな劇場の席に着く。真ん中よりちょい後ろ。左寄り。左隣には親子(父と息子)。右隣には50歳代と思しきグッズを持った男性。10分、20分と時間が経つにつれて埋まっていく劇場。小さな子供、女子高生、家族連れ。こんなに多様な層で埋まった劇場は初めてかもしれない。

18時30分ー、暗転。

『A long time ago in a galaxy far, far away....』の文字。

そして、これ!!!!!

自然と起こる拍手。なんだこれは!こんなのどうしたって興奮してしまうだろう!

というわけで、無事初回上映を見てきたわけで。内容に関しては基本的にネタバレは含まないようにします。というより今作がどういう内容になっているのか、あまり頭に入れずに見に行った方が良いのでは?とも思うので以降は読まなくても構いません!ここまででこの興奮は伝わっているはず!あ、ただ過去作のうち旧三部作に関しては直前に見ておいた方がより楽しめるようになっていると思います。そんな時間ないという方はエピソード4だけでも見ておけば数倍楽しめるはず。

 ネットの各所ではチラチラと悪意のあるまとめ記事なども出てきてますが、まあ世界的大作が故のというか、そもそもあんなもんに左右されて見に行かなくてもいいやーなんて思う人は本当に映画好きなのだろうか?と。自分が生きているうちにこんなお祭りやってるんだから楽しむしかないでしょう!

自分がこれまでのシリーズをどう見てきたのかというのは過去の記事の通り。

 ざっとまとめると、4最高!チューバッカ大好き!プリクエルはうーん…といった感じ。そんな僕は今作のエピソード7、とても楽しめた。前作のエピソード3から10年ぶり、直系の前作エピソード6からは32年ぶり。この期間に生まれた並大抵ではないファンの期待に応えうる新作であったと思う。J・J・エイブラムス、天晴れ。多くの人が語る通り、全体の大きな構造はエピソード4/新たな希望を現代にリブートさせるといったものなのだけど、単なる焼き増し、単なるファンムービーで終わっていないのだ。終わるわけがないのだけど。

思えば今年公開された大作映画は同様に過去作をリブートさせたものが多かった。「ターミネーター:新起動/ジェニシス」然り、「ジュラシックワールド」然り、「マッドマックス:怒りのデスロード」然り。「ジュラシックワールド」の劇中では、少年たちが一作目「ジュラシックパーク」のシンボルに火を灯し暗闇を進むというシーンがある。過去作への敬意を払いながら、先へ進むというなんとも愛に溢れたシーンである(ラストの展開も同様)。

「フォースの覚醒」でも旧三部作オマージュがちょっと入れ込みすぎなのでは?と思うくらいに溢れている。そこまですると逆に新作としての価値が落ちてしまう恐れもあると思うのだけど、それを保たせているのは明らかに新キャストの面々であろう。レイ、フィン、BB-8。この三人はいつまでも見ていられる。中でも文句のつけようがないのがデイジー・リドリー演じる主役のレイでしょう。

f:id:moire_xxx:20151219161232p:plain

なんですか!あのすごく強そうなんだけど、少しつついたら何かが崩れてしまいそうになる弱さも持っている泣きそうな眼は!太めの声もいい!対する旧キャストはもう言わずもがな。明らかに老いたハン・ソロだけどあの口角を上げるニッ、とした笑い方を見た瞬間、ああハン・ソロがそこにいる。と思わせてくれる。と、この絶妙な新世代と旧世代の交わりによって、あのエピソード4が確実に歩を進め形を変えて現代に甦っているのである。まっさらな新作はここから、といった感じなのだろうか。

内容に関して。今作の悪役は明らかに悪であることに迷いがある。対してフィンは自分の信じた「正しいこと」を行うが、それが本当に正しいことなのか、という迷いが生まれる。おそらくその理由はその時点でその行為の"対象"が自分以外に存在しなかったからなのではないだろうか。物語が進み、点と点が交わった時にフィンの行動の対象は誰になっていたか。そしてそこから連鎖的に生まれたものは。うーん、余韻。さら言うとすれば、その最初の発火点になっているのが選ばれしものの位置にいる人物ではなく、元は"その他大勢"の一員であったフィンであることが明らかに過去作と違う点だろう。これぞ現代の醍醐味なのでは。

裏を返せば、迷いのある悪役と確固たる正義を持った主人公ってもう勝敗はすでに決しているのでは?とも思うのだけどそこはまあ、何かしらあるのだろう。

とにかく今は、見終わった後の興奮と余韻で話したくて仕方がない状態なのです。誰かとこの気持ちを共有したい。という気持ち。1年後のエピソード8が待ち遠しい。