来るエピソード7に向けて。まともに全部通して見たのは初めての若輩者ですが、眠い目をこすって小一時間パソコンの更新ボタンを押し続けるという苦行に耐えて、エピソード7の公開初日の初回上映のチケットをゲット。フォースと共にあらんことを!
ちなみにシリーズを好きな順に並べると、4,5,6,3,2,1です。
以下感想を並べますが、こいつほとんどチューバッカのことしか言ってないな。
4:二重太陽によるマジックアワー、異星人によって演奏されるジャズが流れる酒場、ドロイドたちの会話、ライトセイバー、ビーム光線…挙げてたらキリのない最高ポイント!なによりチューバッカが最高すぎる!怒ると腕をもいじゃうのに怪物には怯えちゃうところとか!ハン・ソロが協力するきっかけが完全に金目当てだったりするところも堅苦しくなくて良い。ただオビワンは割と無責任だと思う。
5:「3POのこと直せる?」って聞かれて「んー、ムリ!」と頭を抱えるチューイ、凍っちゃったハンを見て悲しく叫ぶチューイ、ハイパードライブが起動しないと大体怒られちゃってプンプンするチューイ…。ルークは修行中もウジウジしてるし、レイアは何かとチューするしさ。一番感情移入できるのはチューイだ!単発で見ても完結してた4と比べると、次作ありきの話運びは少しテンション低くなってしまう。でもウォーカー迎撃シーンは燃えた。ベイダーはやっぱりどこか人間くさいところが憎めない。あと、ダースベイダーのテーマの音楽って今作で初めて流れるんだなぁと驚いた。色々言ってはいるものの、一つ一つに何か言いたくなるのはもう間違いなく夢中になっている証拠でしょう。
6:ルークとベイダーの対峙、エンドアの超原始的なシールド破壊戦、対照的な宇宙空間でのデススター破壊戦の三本道の構造は良かった。テンション上がらざるをえない。ただ、進むにつれてそれぞれの局面(主にルークとそれ以外)のテンションの差が激しすぎて気持ちがぶれる。特に1番の見どころであるルークとベイダー親子の和解の場面の合間にランドが入ってくると「あー!もう!わかったから!」ってなってしまう。個人的にランドには全く思い入れもなく、なんならそんなに良いやつかな?くらいに思っていたのと、なにより反応炉爆破は4でもやったし同じことしてもなぁ…という気持ちが拭えない。早めに終わらせてくれたら良かった。ランドごめんね。ベイダーのNoooo!問題に関しては、断固いらない派です。4、5と比べてチューイ不足でしたが、その分を補って余りあるほどの魅力的なキャラクター、イウォークが登場したのでその辺は満足。
1:「マッドマックス/サンダードーム」をみているかのようなラスト30分までの禁欲…ポッドレースも面白いんだけどさ、やっぱ宇宙空間をビュンビュン飛び回るのが見たいんだよね!!しかもやっとそれが始まった!と思ったら四本道構造って!エピソード6で馴染めなかった三本道構造故のテンション差問題が加速している…。一番おお!ってなったのはジャバ様登場シーンかなぁ。あぁ…チューイが恋しい…
2:オビワンサイドとアナキンサイドの二つに絞った話運びはエピソード1に比べてかなりスリムで良かった。しかも終盤ではそれが合流して、大規模な戦闘につながるっていうのも良い。ようやくジェダイの強さというのをまじまじと見れた。お花畑で転がるアナキンとパドメは見ててキツイ。モコモコした何かが見たい。あぁ…チューイが恋しい…
3:少し調子乗りがちなアナキンと少し頭でっかちなオビワンにエピソード2では苛つく場面もあったけど、今作の最初でも同じような二人のやりとりがあって、それ見てたら「またやってるよこのふたり」と思わず笑ってしまった。なんだかんだ言ってもやっぱり良いコンビだった。だから最後のシーンは結構本気で悲しかったな。プリクエルの中ではダントツで楽しめた。でも見逃せない旧三部作との矛盾、疑問はいくつもある。アナキンは3POとR2-D2のことは忘れてしまったのだろうか。R2とは苦楽を共にしてるし3POに至っては自分が作ったんだよ?オビワンだって万感の思いでオーウェン夫妻にルークを預けたはずだろうに、「助けられなかったけど仕方ない」なんて思うのだろうか。レイアは母親のことを「優しい人だったのよ」とか言ってたけど産まれた直後にパドメは亡くなっちゃったわけでしょ?オーガナにそう教えられて育ったのかもしれないけどさ。まるで少しでも一緒に過ごしたみたいじゃん?とかまぁいろいろ不満も垂れてるけど、来るエピソード7に向けて熱が高まりました!
■岸辺の旅 (2015)
光と影、生と死、その境界の演出が素晴らしかった。
和やかなシーンでもふっと光が消えてじんわり暗くなっていく様子や、引いた撮り方だけで一気にゾッとしてしまう。ピアノの音、台所の油、光の波と粒、そこにこそ答えがあるような要素が点在する。その点がつないだ先で暖色の光に包まれながら宇宙の話をする浅野忠信がただただ素晴らしい。あとは出演10分足らずで強烈な存在感を残す蒼井優にはもうさすがという言葉しか出ない。
■福福荘の福ちゃん (2014)
なめてかかるとぶっ飛ばされるぞシリーズ!
やっぱり何かを変えたければ自分で枠を飛び越えなければいけないんだろう。
無粋な考察をしてみると、福ちゃんは過去のあるトラウマから女性との関係に線を引いてしまったわけで、それは福ちゃんの仕事が塗装業であること、趣味が凧づくりであることに表れている。決められた範囲だけを綺麗に塗る。それだけを楽しみにしていた福ちゃんだけど、でもさ、あの福ちゃんの凧を揚げているときの顔が本当の気持ちを物語ってるじゃないか。だから福ちゃんは枠を飛び越えて初めて女性に、自分に向き合えたのだろう。そして、ようやくそのとき福ちゃん自身の凧が揚がる。水、カレー、写真、たこ焼き、細かい描写は説明くさくないし、そのくせ気が利いてる。
少し前まで、叫ぶと映える女優ナンバー1は満島ひかりだと思ってたけど、水川あさみがその地位を危ぶめている。
■おんなのこきらい (2015)
Kawaiiは、つくれる!
Kawaisouは、つくれる!かも?
Kawaiiは、罪深い!
3行目はもちろん言う側も言われる側も。見てる途中も思わず、ひぇー。って声が漏れてしまうくらい引き込まれたんだけども、やっぱり"おとこのこ"なのですべての共感はできなかった。それでも楽しめたし、陳腐ながら"おんなのここわい"という気持ちでいっぱい。コウタが乗ってたワーゲンの車可愛かったなぁ。
あと、「気持ち悪いなー。」は2015年ベスト台詞にくい込んでくるでしょう。
■もらとりあむタマ子 (2013)
「だめだなぁ…日本」「少なくとも…今ではない」「…透明感」「趣味:カメラ、特技:人間観察」「ぎゅう」「あっすごーい。なるほど。」「パスタとか作るじゃないですかぁー例えば。そしたらあの人パセリとか乗せるんですよぉ。…まぁまぁ…食べますけどね。もったいないから。」「またね」「自然消滅って…。久々聞いたわ。」
以上、好きすぎるタマ子の台詞でした。多分この先、この文字面だけ見ても笑えるし切なくなるはず。とにかく前田敦子の前田敦子による前田敦子のための映画だった。仏頂面も舌打ちもロールキャベツ食べる顔も本当最高。ここ最近見た映画の中で一番、ここ!ここで終わって!って思ったところで、フッとエンドロールに入るタイミングがベストだった。
■21ジャンプストリート (2012)
5分に1回はお腹抱えて笑ってしまうくらい最高!!
チャイニング・テイタム(筋肉クソバカ野郎)とジョナ・ヒル(童貞クソデブ野郎)のコンビがもう文句のつけどころがないくらい見ていて気持ちがいい。「LEGOムービー」のクリス・ミラー&フィル・ロードコンビの監督もバカなのにいちいち気が利きすぎてるところも最高。気持ち良いくらいの伏線回収。権利の告知の読み上げと共有結合がこんなに気持ち良い瞬間が今後あるだろうか。
■ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア (1997)
かんぺき。言うことなんもない。
海へ行こうぜ。
■劇場版 MOZU (2015)
好きだからこそ厳しく見てしまうものと、甘く見てしまうものがあるとしたらMOZUは完全に後者。正直脚本の穴とか、引っ張ってきた謎を回収できていないとか言ったらキリがないけど、それでも爆炎をバックにロケットランチャーをぶっ放す長谷川博己と激かっこいい池松壮亮登場シーンが見れればもう満足なんですよ。今後どんな言葉も語尾に「くぅ〜らぁ〜きぃ〜」をつければ東にれそう。ダルマに関しては誰が演じるかを見るまで明かされないシステムにしたらかなり驚いたと思う。そこにかなり期待してたから、あの登場時間の少なさには肩透かしを食らった気分。しかしまあMOZUのときだけ真木よう子さんの演技が上手く見えなくなる現象は一刻も早くなんとかしたほうがいい。
■アバウト・シュミット (2002)
確かにめちゃくちゃ地味なんだけど、その構造こそがこの映画の言いたいことそのものなのではないかと感じた。つまり、グラデーション。大抵の人生なんて(もちろん自分も含めて)、起きて、仕事して、トイレ行って、寝るっていうルーティンだけど、その中で日々誰かに出会ったり、別れたりすることによって淡ーいグラデーションになっていくのだと思う。劇中のジャックニコルソンのちょっとした旅のように。(ネブラスカのテーマともやはり通じる)でもさ、その長ーいグラデーションのなかで思いもよらない色がつくようなことがあってもいいじゃないか。どうせ誰かと出会いいつかは別れる一本道の人生だけど、自分が思ってもみなかったところで道が重なって、あぁ一人じゃないんだなって思える瞬間がほんのちょっとだけあってもいいじゃないか。そんなラスト3分ほどは自分の中で号泣警報が鳴り響いて、案の定ラストカットでは目ん玉出るんじゃないかってくらい号泣でした。あ、あと劇中でFleetwood MacのSentimental Ladyがさりげなく流れてたのが良かった。
■ぐるりのこと (2008)
ご飯がうまく炊けないときもあった。でもうまく炊けたときのあの湯気に笑顔をこぼすときもくる。それは時間の流れじゃなくて積み重ね。
言葉でいくら埋めようとしても埋められない距離がある。頭でいくら理解しようとしても縮まらない距離がある。そんな世界でも、不器用に積み重ねた時間の上にたまにはかんぺきなご飯が炊ける瞬間が訪れるくらいの奇跡が起きたっていいじゃないか。
キスシーンでこんなに泣いたのは初めてかもしれない。正しくはキスシーンではないのだけど、あれはキスよりもキスだ。
橋口監督の新作「恋人たち」がようやく今週末から新潟で公開になるので楽しみで仕方がない。
この映画を見てから、Akeboshiのこの曲を聞かないと一日が始まらない。